ミレニアル世代で広がる"脱自炊"が、食品会社の危機に? UBSが指摘

スマートフォンで食事の配達を依頼する人

オンラインのフードデリバリー・サービスは、急速に成長している。

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  • UBSの最新の報告書によると、自炊は過去のものとなりつつあるようだ。
  • ウーバー・イーツ(Uber Eats) といったプラットフォームは、これまで配達サービスのなかった飲食店から直接、消費者に料理を配達することを可能にし、より多くの選択肢を与えてユーザーを引きつけている。
  • UBSは今後、ロボットや配達用ドローンが導入されれば、さらにコストが下がり、自分で作るよりも配達を頼んだ方が安く済むようになる可能性があると言う。
  • これは、ゼネラル・ミルズやクラフト・ハインツといったアメリカの食品会社にとっては、打撃となる可能性がある。

自宅で作る料理は、過去のものとなりそうだ。

UBSの最新の報告書『Is the Kitchen Dead? (キッチンは終わった?)』によると、フードデリバリー・アプリの成長は、将来、自宅で自ら料理を作る人がいなくなることを意味しそうだ。

報告書は、2030年までにオンラインのフードデリバリー・サービスがフード・サービス市場全体の10%を占めると予測している。つまり、その規模は現在の350億ドル(約3兆8300億円)から3650億ドルに伸びるということだ。

オンライン注文は近年、爆発的に増えている。ウーバー・イーツといったアプリが、これまで配達していなかった飲食店から直接、消費者に料理を配達することを可能にし、市場への参入も増え、消費者により多くの選択肢を与えている。

UBSは、こうした配達アプリはフード市場に大きな変革をもたらす「ゲーム・チェンジャー」だと言う。

「利便性、正確さ、支払いの一本化のおかげで、オンライン注文は当たり前のものになってきた」UBSのアナリストは書いている。

「調理済み食べ物の普遍的な需要や定期的な配達の規模の大きさを考えれば、自炊は終わりを告げる可能性がある」

報告書によると、ミレニアル世代の若者たちは、親世代に比べ、3倍もオンライン注文する可能性が高い。その主な理由は、フードデリバリー・サービスが提供する利便性だろう。だが、配達サービスを提供するようになった質の高いレストランが増えるにつれ、最近ではより魅力的な選択肢にすらなっている。

さらにUBSは、サービスが広まることでコストが下がり、自宅で自ら料理を用意するよりも安く済むようになる可能性があるという。ロボットや配達用ドローンが導入されれば、なおさらだ。

こうした変化は、消費者向けに食材を販売するアメリカの食品会社に深刻な打撃となる可能性がある。報告書は、ケーキミックス「ベティークロッカー(Betty Crocker)」や「マカロニ・アンド・チーズ」といった自宅で簡単に料理が作れるキットで知られるゼネラル・ミルズやクラフト・ハインツが、状況に対応できなければ、最も深刻なダメージを受けるだろうと指摘する。

「こうした小売業者も、オンラインの食料品店やすぐに食べられる食事、サービスの速さが売りのレストランなど、新たな成長分野に方向転換、もしくは、少なくとも事業の多角化ができれば、利益を上げることができるだろう」と報告書は言う。

UBSはまた、ファストフード・チェーンのソニック・ドライブイン(Sonic Drive-In)を、ドライブインというコンセプトがそもそも配達になじまないことから、"キッチンの終わり"によって苦戦を強いられるであろう数少ないファストフード・チェーンの1つに挙げている。

だが、他のファストフード・チェーンも、あぐらをかいているわけではない。

マクドナルドからチポトレ(Chipotle)やパネラ(Panera)、タコベルまで、ファストフード・チェーンは配達サービスを強化している。5月上旬にはチポトレが、4月後半にフードデリバリー会社ドアダッシュ(DoorDash)と提携した後、デリバリーの売り上げが667%急増したと発表した。その後、フードデリバリーのグラフハブ(GrubHub)も、ファストフード・チェーンのジャック・イン・ザ・ボックス(Jack in the Box)の配達を担うことを発表、タコベルやケンタッキー・フライド・チキンに加え、新たなチェーン店をその提携先に加えた。

「消費者の行動は急速に変化する」パネラのCEOブレイン・ハースト(Blaine Hurst)氏はBusiness Insiderに語った。「(消費者が)デリバリーを試してみようと思ったとき、店にそのオプションがなければ、別の店へ行ってしまう」

[原文:Millennials are cooking less and less, and it could cause a crisis for America's biggest food companies]

(翻訳、編集:山口佳美)

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