決勝Tへの期待上昇も半端ない—— W杯日本代表巡るツイートが大変化

サッカーW杯ロシア大会、日本代表は一次リーグ初戦でコロンビアを2-1で撃破し、日本中に歓喜の渦を起こした。決して前評判が高いとは言えなかった西野ジャパンの“金星”発進で、大会への関心も一気に盛り上がって来た。6月19日のコロンビア戦を機に、日本代表に関するツイッターの投稿がどう変化したのかを分析した。

ツイッター分析にはユーザーローカル社が提供する分析ツールを使用。W杯代表メンバーが発表された5月31日から6月23日夕方までの投稿を対象とし、「リプライ(返信)」「リツイート」「ニュースなどのリンクの引用」は除外した。

「日本代表」の言葉を含む投稿

日本代表

コロンビア戦で得点し、大喜びの日本代表メンバー。

Jason Cairnduff Reuters Pictures

「日本代表」の言葉を含むツイートは5月31日から6月18日までで3万2963件。もっとも多いのは、スイスとの親善試合に敗退した直後の6月9日で5401件、ついでメンバーが発表された5月31日の4653件だった。 「日本代表」を含む投稿に同時に登場する言葉を分析したところ、動詞は「勝つ」がトップに来た一方、4位に「負ける」が入った。 形容詞のトップは「ほしい」。こちらは、「勝ってほしい」「自覚してほしい」「決勝トーナメントに行ってほしい」など、ファンの願いや要望が強く反映された。

日本代表前

一方、コロンビア戦が行われた6月19日以降のツイート数は2万3884件。19日だけで1万3940件だった。 一緒につぶやかれた言葉では、動詞は「負ける」が後退し、「決める」が上位に。形容詞は試合前と一転し、「凄い」「良い」などポジティブワードが並んだ。

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「西野監督」の言葉を含む投稿

西野監督

コロンビア戦の翌日の6月20日、カメラに笑顔を向ける西野監督。

Toru Hanai Reuters Pictures

ハリル氏の解任で、急きょ代表を率いることになった西野朗監督。5月31日から6月18日までの「西野監督」を含むツイートは3094件。メンバー発表、親善試合後に投稿が集中した。

「西野監督」と一緒に出て来るキーワードには「選ぶ」「外す」「良い」「悪い」など、メンバー選びや戦術について、論評や意見を想起させるものが多かった。

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コロンビア戦の19日以降、22日午前までの投稿数は2546件。一緒に出て来るキーワードとして、 名詞の5位に「ブラジル」が出現した。

西野監督は1996年のアトランタ五輪で代表監督を務め、初戦でブラジルを撃破。今回のコロンビア戦の勝利で、「マイアミの奇跡」を思い出した人が多かったのだろう。動詞の5位にも「起こす」が入り、「奇跡を起こす」「ミラクルを起こす」などと使われていた。

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「大迫」の言葉を含む投稿

大迫勇也

コロンビア戦で決勝点を決め、喜ぶ大迫。

Jason Cairnduff Reuters Pictures

コロンビア戦で決勝ゴールを決めるなど大暴れし、試合で 最も活躍した選手に贈られる「マン・オブ・ザ・マッチ」 に選ばれた大迫勇也。5月31日から6月18日までのツイート数は5658件だった。6月8日の国際親善試合スイス戦で負傷交代したため、6月9日のツイート数が1944件と突出して多い。

「大迫」と一緒につぶやかれた言葉を見ると、名詞には他の選手がずらりと並ぶ。コロンビア戦までは注目度がそれほど高くなかったとみることもできる。

大迫

5月19日から22日までの「大迫」を含むツイート数は 5万1911件。「日本代表」「本田」などを大きく上回り、インパクトの大きさが現れている。

一緒に登場した言葉は「半端ない」「ハンパない」が突出。「半端ない」は正確には形容詞だが、ツールでは名詞に分類された。形容詞には、ファンの素直な簡単が並んでいる。

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以下は、「大迫」を含むツイートに登場した言葉を、一目で把握できるように図にしたものだ。線で結ばれた言葉は関連度が大きく、また、円の大きさで件数を相対的に示している。1枚目が5月31日から6月18日までの投稿で、2枚目が6月19日以降の投稿。

大迫マイニング

5月31日から6月18日までの「大迫」を含むツイート。


大迫マイニング2

コロンビア戦(6月19日)以降の「大迫」を含むツイート。

「本田」の言葉を含む投稿

本田

コロンビア戦で途中出場した本田

Ricardo Moraes Reuters Pictures

低調なパフォーマンスが続き、起用法が注目されていた本田圭佑 はコロンビア戦で途中出場。決勝点をアシストし、存在感を見せた。

5月31日から6月18日の「本田」を含む投稿は2万3704件。「大迫」「西野監督」などと違い、つぶやかれ方が日にちによってむらがないのだが、「一緒につぶやかれている言葉」を分析したところ、多数の「本田違い」が判明した。

本田前

名詞を見ると、「本田翼」「本田宗一郎」が上位に出現。他の著名人に関する投稿数が相当混じっていることがうかがえる。また、動詞2位の「恐れる」は、本田宗一郎の言葉「チャレンジして失敗を恐れるよりも、何もしないことを恐れろ」が多数ツイートされた結果であることが判明したが、1位の「外す」はサッカー選手の本田に対して向けられたものだ。

本田後

しかし、コロンビア戦の後(ツイート数1万5787件) は、「外す」がトップ10から消え、形容詞の1位もポジティブな「すごい」だった。また、名詞からは他の人物が外れ、W杯と本田への関心の高まりがうかがえた。

「セネガル」の言葉を含む投稿

セネガルサポーター

ポーランド戦で声援を送るセネガル代表のサポーター

Christian Hartmann Reuters Pictures

コロンビア戦に勝利したことで、決勝トーナメント進出への期待が急上昇し、24日の対戦相手、セネガルへの関心も高まってきた。19日はコロンビア戦の勝利を喜ぶツイートであふれたが、20日になると「セネガル」を含む投稿が急増。5月31日以降6月22日までの2万5211ツイートのうち、19日が4803件、翌20日1万5885件つぶやかれた。

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6月19日以降のツイートで「セネガル」と一緒に出てきた言葉をみると、「強い」「速い」「やばい」など、ポーランド戦を視聴したファンのセネガルチームへの印象が上位に登場する。

セネガル品詞

セネガル戦は24日23時(日本時間開始)。勝利すれば最終戦を待たずに2大会ぶりの決勝トーナメント進出が決まる。

(文・浦上早苗)

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