2018年6月22日、「日本初のブロックチェーン領域に特化したコワーキングスペース」Neutrinoのオープンを記念したお披露目イベントが開催された。
イベントには、Omise Japan CEOの長谷川潤氏のほか、スポンサー企業であるみずほフィナンシャルグループ、電通、三井不動産の代表者らが集まった。
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2018年のICO調達額はすでに9000億円
Omise Japan CEOの長谷川潤氏。
Neutrinoの運営を担うのは、オンライン決済サービスを提供するOmise Japanと独立系ベンチャー・キャピタル(VC)のグローバル・ブレインだ。
Omise Japan CEOの長谷川潤氏は立ち上げの経緯に関して、世界規模でブロックチェーンが盛り上がっているにも関わらず、海外のイベントなどで日本人の姿をほとんど見ることがなかったことに危機感があった、と話した。
グローバル・ブレイン社長の百合本安彦氏は、ベンチャー・キャピタル(VC)の観点から、ブロックチェーン関連企業が集まる場をつくることの必要性を語る。
「2018年のブロックチェーン関連のICO調達金額は、すでに9000億円程度まできている。日本におけるベンチャー・キャピタル(VC)の投資は年間2000億円程度で推移しているが、(ICOによる)調達金額は今年、おそらく2兆円くらいまで拡大するだろう」
「ブロックチェーンの尖ったベンチャー企業はほぼ今ICOで資金調達をしており、VCとして普通にエクイティ投資だけをしていると、それらにリーチができない」
「アンドリーセン・ホロウィッツやユニオン・スクエア・ベンチャーズなど、シリコンバレーのVCはクリプト(仮想通貨)のヘッジファンドにすでに投資を始めている。虎視眈眈と、仮想通貨を次のアセットクラスにすることを狙っている」
ワークスペースの様子。利用料金は、プライベートデスクで年間59万4000円。
初期の入居者は16分野から集められた20メンバー。60社以上からの応募があり「濃いエンジニアコミュニティをつくれるか」「すでにブロックチェーンに詳しい専門家」などを基準に選ばれた。
スポンサー企業には電通、みずほフィナンシャルグループ、ヤフー子会社のZコーポレーション、三井不動産、リクルートコミュニケーションズ、博報堂など。
イベントスペースの様子。左側のガラスの向こうには会員用のミーティングルームも。
すでにシンガポールへの進出も決定している。1〜2年以内にまずは5拠点を構え、グローバルなエンジニアコミュニティをつくっていく狙いだ。
Neutrinoから革命的なブロックチェーン・プロジェクトは生まれるのか。
【参考リンク】
- ALIS:国内初、数億円“ICO”ベンチャーが奮闘する「ICOの税務」と「決算」 —— ALISの“ファーストペンギンの覚悟”とは
- GIFTED AGENT:発達障害者が働ける場を——ブロックチェーンで“自分たち経済圏”をつくる挑戦
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(文・写真、西山里緒)