今さら聞けない? LGBTプライド月間について知っておくべき6つのこと

パレード

毎年恒例のプライド・パレードで、風船で「RESIST(抵抗)」という単語を掲げる参加者(2017年6月25日、カリフォルニア州サンフランシスコ)。

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6月は「プライド月間(Pride Month)」だ。アメリカをはじめ、世界各地でLGBT+の権利や文化、コミュニティーへの支持を示す、さまざまなイベントが行われる。

アメリカでは、1969年6月に起きた「ストーンウォールの反乱」を記念して、各地でイベントが行われるようになった1970年代前半から続く伝統で、アメリカのLGBT+が直面する問題に光を当てるものだ。

プライド月間について、知っておくべき6つのことを紹介しよう。


1. プライド月間とは? どのようなイベントが開催される?

レジスト・マーチ

6月の第47回ロサンゼルス・プライド・フェスティバルの期間中に行われた「レジスト・マーチ(抵抗の行進)」のスタートを待つ参加者たち。

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アメリカでは、プライドは1カ月にわたって続くLGBT+の祝祭であり、抗議であり、政治活動だ。ほぼ全ての都市で、何かしらの大規模イベントが開催される —— レインボー(虹)をモチーフとしたアートや仮装、地元企業や団体の山車が参加する大きなパレードが行われることが多い。

パレードに加え、抗議活動やダンスパーティー、詩の朗読会、ドラァグ・ショーなど、さまざまなLGBT関連のイベントが開催されている。

2. アメリカ人はなぜプライドを祝うのか? その起源とは?

ストーンウォール・インの前でポーズを取る常連客たち

ニューヨーク市のゲイバー「ストーンウォール・イン」の前でポーズを取る常連客たち(1969年)。

Library of Congress

プライドの歴史、そしてLGBTの権利を求める活動の歴史は、1960年代後半にマンハッタンのゲイバー「ストーンウォール・イン」で起きた事件にまで遡る。

このバーは、同性の客と一緒に踊っても嫌がらせを受ける恐れのない、珍しい場所として知られていた。当時、ゲイバーやナイトクラブに警察の手入れが入るのは、特にニューヨーク市やロサンゼルスのような大都市では珍しいことではなかったが、警察による暴力に発展することもあった。

1969年6月28日の早朝、警察がストーンウォール・インに踏み込んだ。しかし、このときの常連客は抵抗した。反乱の口火を切ったのは、25歳の誕生日を祝っていた黒人のトランスジェンダーの女性、マーシャ・P・ジョンソン(Marsha P. Johnson)さんだとされている。この「ストーンウォールの反乱」には数千人が参加し、その後5日間の暴動に発展した。

3. どうしてレインボーフラッグがLGBT+プライドの象徴になったのか?

レインボーフラッグ

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LGBT+プライドの旗は1978年、ゲイのための人権活動家で退役軍人、アーティストであり、自称「ゲイのベッツィー・ロス(注:星条旗を作ったと言われている人物)」のギルバート・ベイカー(Gilbert Baker)氏が考案した。

ベイカー氏は、サンフランシスコで開催された1978年のゲイ・フリーダム・プライド・パレードのためにこの旗を作った。旗作りを依頼した地元の政治家でゲイのハーベイ・ミルク(Harvey Milk)氏は、同じ年に暗殺された

旗には当初、8つの色が使われていて、それぞれの色に意味が込められていたが、1979年には、赤、オレンジ、黄、緑、青、紫の6色になった。近年は、あらゆる人種を受け入れ、HIV/エイズへの理解を反映するため、黒と茶が含まれることもある。

オンライン雑誌「スレート(Slate)」でフォレスト・ウィックマン(Forrest Wickman)氏が書いているように、カミングアウトしていないクィアの人々は、歴史的に明るい色を使うことで自身が同性愛者であるという合図を送り合っていた。

「わたしたちには何か美しいものが必要でした。自分たちを象徴するような何かです。レインボーはまさに完璧です。人種、ジェンダー、年齢などさまざまな面で、わたしたちの多様性にぴったりですから」ベイカー氏は2015年、ニューヨーク近代美術館(MOMA)に語っている。同氏は2017年にこの世を去った

4. プライドを祝うのはアメリカだけ?

支援者とハイタッチするパレードの参加者

東京レインボー・プライド・パレードで、支援者とハイタッチする参加者。

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LGBT+のアメリカ人が直面する問題は、アメリカで生活しているからこその問題だ。しかし、プライドを祝うのは、アメリカだけではない。

東京からシドニー、リオデジャネイロまで、世界中の都市が開催時期は異なるものの、独自のプライド月間を持っている。

5. 同性婚が合法化された今、戦いは終わったのでは? LGBT+の人たちは今、どのような権利のために戦っているの?

レインボーフラッグを運ぶ参加者たち。

ユタ州のソルトレイクシティで開催されたユタ・プライド・パレードで、レインボーフラッグを運ぶ参加者たち。

AP

LGBT+の人々にとって、同性婚は平等に向けた一歩に過ぎない。彼らは今も政治闘争を続けている。

警察による虐待やプロファイリング、反トランスジェンダー的な「トイレ法(注:出生証明書に記載された性別に合わせたトイレ使用を義務付ける法律)」、トランスジェンダーの入隊制限LGBTに非友好的な医療政策LGBT+のアメリカ人を国勢調査から排除するという決定、小売店職場における差別など、問題は山積みだ。FBIのデータによると、2016年にフロリダ州オーランドのゲイ・ナイトクラブで銃乱射事件が起こる前から、LGBT+の人々はアメリカで最もヘイトクライムの対象になりやすかった。

ユタ州ソルトレイクシティで6月3日(現地時間)に開催された2018年ユタ・プライド・フェスティバルでは、白人男性の集団が同性愛者の参加者を中傷し、物理的な攻撃を加えた

6. 知っておくべき重要な用語は?

プライド・マーチに参加していたカップル

ニューヨーク市でプライド・マーチに参加していたカップル。2016年6月26日。

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アセクシュアル(Asexual):相手の性別などに関係なく、他者に性的欲求を感じない人々。アセクシュアルと禁欲(例えば、結婚や性的関係を避けることを選択する)は別物だ。

バイフォビア(Biphobia):バイセクシュアル(両性愛)の人に対する、不合理な嫌悪感。バイセクシュアルに対する負のステレオタイプを持つことに起因することが多い。

シスジェンダー(Cisgender):生まれた時に診断された性別と、自分の性自認が一致している人。

インターセクショナル・プライド(Intersectional Pride):LGBT+の人々も人種や収入レベルを含め、さまざまなアイデンティティーを持っていて、それゆえに社会で享受する特権のレベルも異なることを認めるフレーズ。LGBT+の運動は、コミュニティーに所属する全員のために、中でも享受する特権の少ない人のために戦うべきものだという考え。

LGBTQ+:レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィア、プラスその他の非ヘテロセクシュアル(異性愛)の性自認それぞれの頭文字を取って作られた用語。インターセックス(intersex:中間的な性)の「I」や、アセクシュアルもしくはエイジェンダー(agender:無性)の「A」が 語尾に付け加えられることもある。しかし、全てのインターセックスの人々がLGBT+という概念のもとに性自認をしているわけではない。

ノンバイナリ―(Nonbinary):男性、女性という二元的なジェンダーに当てはまらない人々。ノンバイナリーの多くは、代名詞「彼ら(they/them)」を使う。

パンセクシュアル(Pansexual):相手のジェンダーに関係なく、他者に恋愛感情を抱くことができる人々。

クィア(Queer):"クィア"の定義はLGBTの中でも議論が分かれる。ただ、多くの場合、非ヘテロセクシュアルな恋愛感情の総称として使われている。

[原文:June is LGBT Pride Month — here's everything you need to know

(翻訳:Yuta Machida、編集:山口佳美)

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