トランプ大統領の「宇宙軍」創設は、新たな1兆円産業の追い風に? モルガン・スタンレーが指摘

ロケット発射

ケネディ宇宙センターから発射されたスペースシャトル「アトランティス号」(STS-135)。

Scott Audette/Reuters

  • アメリカのトランプ大統領が提唱する「宇宙軍」の創設は、その規模1兆ドル(約110兆円)とも言われる宇宙産業にとって、追い風になる可能性があると、モルガン・スタンレーは指摘する。
  • モルガン・スタンレーは、宇宙軍の創設によって恩恵を受けそうな100の企業をまとめた。

トランプ大統領がいわゆる「宇宙軍」の創設を実現させれば、モルガン・スタンレーの言う"次の1兆ドル産業"への投資が加速度的に増える可能性がある。

22日(現地時間)の顧客向けのメモの中で、モルガン・スタンレーは2017年10月に出した宇宙産業に関する見通しに触れ、宇宙軍の創設は「国の安全保障にとっての危機的な脆弱性に取り組み、我々が次の数兆ドル産業になると見ている宇宙産業に対する投資家の関心を高めるだろう」と述べた。

モルガン・スタンレーはすでに宇宙開発をめぐる競争に乗り出している20企業をまとめていて、競争が激しさを増す中、衛星インターネット、ロケット、宇宙旅行、小惑星の採掘などを手掛ける100の民間企業をモニタリングしていると言う。

「アメリカ政府や軍、インテリジェンス・コミュニティーのさまざまなアクター(現職、元職含め)とのやりとりから、我々は宇宙産業が今後、間違いなく大きな成長を遂げると見ている」モルガン・スタンレーのアナリスト、アダム・ジョナス(Adam Jonas)氏率いる同行のアナリスト・チームは22日のメモで書いている。「これはアメリカの技術面でのリーダーシップと、監視、ミッション展開、サイバー、AI(人工知能)における脆弱性への取り組みを強化する可能性がある」

モルガン・スタンレーは、宇宙産業の規模はすでに3500億ドルもしくは世界全体のGDP(国内総生産)の約半分を占めると見ている。宇宙開発をより安価で実現する再利用可能なロケットといった技術への投資が増えれば —— 特に複数の国がその安全保障のためには宇宙でのプレゼンスが必要だと考えるようになれば —— その規模は1兆ドルまで成長するだろう。

ただ、「宇宙軍」がどういった形で実現されるか、軍の中でどういった位置付けになるかは、まだ分かっていない。しかし、モルガン・スタンレーは、国防総省にとってはプラスになるだろうと言う。

「ワシントンD.C.の関係者とのやりとりから、宇宙軍は独立した組織として創設され、議論を引き起こす可能性はあっても、全体としてはアメリカの国防総省にとってプラスになるだろう」モルガン・スタンレーは言う。「とはいえ、これを実現させるためには、大統領は法整備でも予算の面でも、議会での支持を獲得すべく努めなければならない」

議会の支持を取り付けるのは容易ではないだろうが、18日に大統領令に署名したトランプ大統領は、宇宙軍創設というアイデアに傾倒しているようだ。

「宇宙において、アメリカの存在感を示すというだけでは不十分だ」トランプ大統領は言う。「我々は宇宙に、アメリカによる支配を築かなければならない。我々は空軍を持つように、宇宙軍を持つ。別の組織だが同等だ」

[原文:Trump's 'Space Force' could fuel a new $1 trillion economy, Morgan Stanley says]

(翻訳、編集:山口佳美)

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