3分でわかる、LINEカンファレンス衝撃の4大発表 —— 仮想通貨から決済まで、一気読み:LINE CONFERENCE 2018

LINE 出澤剛社長

LINE CONFERENCE 2018で「Redesign」を掲げる出澤剛社長。

LINEは6月28日、事業戦略発表会「LINE CONFERENCE 2018」(以下LINEカンファレンス)を千葉県浦安市の舞浜アンフィシアターで開催した。

LINEカンファレンスでは、いままでも同社の新サービスや新製品、今後の事業展開などが語られてきた。今年は「Redesign(リデザイン)」をテーマにキーノートが進行。たくさんの発表があったが、その中から同社が今年度中にスタートする注目のサービスを紹介しよう。

1. 8月から中小企業でLINE Payの手数料が0円に

LINEの決済革命のスライド

LINE Pay株式会社の長福氏は、いままでよりさらにキャッシュレスに対して強力な施策を打つため「Payment Revolution(決済革命)」の構想を掲げた。

今回の発表会の中で最も印象的だったのは「LINEがキャッシュレス社会の実現に本気を出す」という力強いメッセージだ。

同社はスマートフォン決済の「LINE Pay」を2014年12月に開始したが、日本ではいまだに現金が主流で、さらに最近ではドコモの「d払い」や決済手数料0.95%をうたう「pring」といった強力なライバルが登場している。

関連記事:メタップス、QRコード決済手数料「0.95%」業界最安値の衝撃 —— キャッシュレス化の起爆剤になるか

LINE Pay株式会社の取締役を務める長福久弘氏は、キャッシュレス決済社会の実現には「ユーザーとマーチャント(店舗側)のどちらにも、ペイメント・レボリューション(決済革命)が必要だ」と述べた。同氏が発表したLINE Payに関する重要なトピックは以下の通りだ。

LINE Payの施策

LINE Payはユーザーと加盟店の両方に強力なキャンペーンを打つ。

  • 中小企業向けのLINE Pay決済アプリ「LINE Pay for Marchants」をリリース。導入手数料は無料
  • LINE Pay for MarchantsのQR/バーコード決済に関しては、約3年間は決済手数料は無料(2018年8月1日から2021年7月31日まで)
  • 2018年8月1日から2019年8月31日までQR/バーコード決済利用時の同会員制度のポイントバック率を+3%とする
  • コンビニなど非接触決済サービス「QUICPay+」加盟店でLINE Pay残高が利用可能に。今秋以降開始、おサイフケータイ搭載のAndroidスマホが対象
  • ミニストップやマクドナルド、松屋などがLINE Payに順次対応。特に、松屋は日本で初めて券売機でQRコードのLINE Pay決済に対応する

なお、決済手数料については2021年8月以降は有料化の方針だが、詳細については手数料無料が始まるまでに発表するとしている。

2. トヨタが車載AI「Clova Auto」を採用、2018年冬から

Clova Auto

LINE製の車載AI「Clova Auto」が発表された。

次に衝撃的だったのはトヨタ自動車(以下トヨタ)がLINEのAIアシスタント「Clova」を採用したことだ。

LINEとトヨタの提携は2017年のLINE CONFERENCEで発表済み。2018年6月26日にトヨタが発売した新型のクラウンやカローラスポーツなどでは「LINEマイカーアカウント」を採用しており、利用者は自分の車とチャットをするように、車のガソリン残量やナビの目的地の事前設定などが可能だ。

LINE舛田氏とトヨタ自動車の長田氏

写真左からLINEの取締役・CSMOの舛田淳氏とトヨタ自動車 常務役員の長田准氏。

Clova Autoの市場投入はこれまで時期未定だった。今回初めて「2018年冬に発売されるトヨタの新型自動車より利用可能」と発表された。

Clova Autoは、主に運転中にスマートフォンを利用することなく、LINEメッセージの送受信や目的地の天気の検索、LINE MUSICの再生などの操作が音声でできるというものだ。

グーグルのGoogleアシスタントやアップルのSiriもすでに「Android Auto」や「CarPlay」という形で車内に進出している。LINEはトヨタと組むことで、自社のエコシステムを活かして競合に追随する。

3. 旅行事業に参入、実はLINEの得意分野だった

LINE トラベル

LINEショッピング、LINE デリマに続く新たなコマース事業が「LINE トラベル」だ。

意外だったのは、同社のコマース事業が旅行業界に参入することを発表したことだ。

偶然にも同日には即時買い取りサービス「CASH」のBank社が、後払い型の旅行サービス「TRAVEL Now」を発表するなど、IT企業の旅行業界進出が話題になっていた。

関連記事:“ノールック買取”の風雲児が仕掛けるツケ旅行「TRAVEL Now」の衝撃 —— 無審査10万円、旅行の“常識”が変わる

LINEの旅行事業「LINE トラベル」は、旅行に関するさまざまな情報を比較するためのサービスだ。

現時点ではホテルの宿泊料金比較のみにとどまり、比較対象は、JTBや楽天トラベル、Booking.com、一休.comなどの8社。同様のサービスは「トラベルコ」「トリバゴ」などが展開している。LINE トラベルは、今後フライト料金やパッケージプランなどの比較にも対応する予定だ。

LINE トラベルの展望

LINEトラベルの展望を語るLINEの藤井英雄氏。

同社執行役員でコマース事業を担当する藤井英雄氏はLINE トラベルについて「いまは旅前の機能にとどまるが、旅中、旅後に関する機能も用意し、旅行の全てをLINEでフォローできるようにしたい」と将来の展望を話している。

旅行事業の参入のきっかけについて同社広報は「Financialで保険、Payで決済、そして位置情報やビーコンなどを活用した技術を持つLINEにとって、旅行サービスは相性のいい分野だった」と語っていた。

4. ブロックチェーン技術には長期的に取り組む

BITBOX

LINEは日本と米国以外で仮想通貨取引所「BITBOX」をオープンする。

LINEの仮想通貨に関する取り組みにも動きがあった。

同社は発表会の最後に仮想通貨取引所「BITBOX」をお披露目、2018年8月中に取引を開始する。しかし、日本およびアメリカは法規制の関係で現時点では利用不可、2国以外のグローバル事業としてのサービスとなる。

取り扱われる仮想通貨には、ビットコインやイーサリアム、ビットコインキャッシュなど日本でもメジャーなものが含まれるだけに、日本市場での展開が期待されるが、出澤剛社長は「現在も日本における仮想通貨取引所の申請は、申請中というステータスであり、見通しなどのコメントは差し控える」と、国内参入までの具体的なスケージュルは明かさなかった。

LINE 出澤剛社長

「LINE Token Economy」構想を掲げた出澤社長。

出澤氏はLINEカンファレンスの冒頭で、同社の長期的なビジョンとして、ブロックチェーンを活用した「LINEトークンエコノミー」構想を発表している。具体的なサービス内容などについては語られなかったが、BITBOXでの知見が今後の同社の新しい取り組みに反映されるのは間違いないだろう。

(文、撮影・小林優多郎)

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