極超音速旅客機のコンセプト
Boeing
- ボーイングは、アメリカ航空宇宙学会(AIAA:American Institute of Aeronautics and Astronautics)で極超音速旅客機のコンセプトを発表した。
- ロンドン - ニューヨークを2時間で結ぶとアビエーション・ウィークは伝えた。
- 今後、20~30年で実現するかもしれない。
ロンドンからニューヨークに飛び、その日のうちにロンドンに戻るというアイデアがいつの日か実現するかもしれない。
ボーイングは、ロンドン - ニューヨークを2時間で結ぶ極超音速旅客機のコンセプトを発表した。アビエーション・ウィーク(Aviation Week)が伝えた。
同誌によると、ボーイングは極超音速の専門家の協力を得て、大西洋を2時間、太平洋を3時間で飛ぶ極超音速旅客機の研究を行っている。初期段階のコンセプトをアトランタで開催されたアメリカ航空宇宙学会(AIAA)で発表した。
極超音速旅客機の最高速度はマッハ5(時速約6200キロメートル)、巡航高度は約9万5000フィート(約2万9000メートル)。コンコルドと比べると速度は2.5倍以上、巡航高度は3万フィート(約9000メートル)以上高い。
「世界中のどこか地点Aから地点Bまで移動するときの問題点は、どれくらい速く移動したいのか、十分な速さとはどれくらいか」とボーイングのシニア技術研究員で超音速のチーフサイエンティスト、ケビン・ボウカット(Kevin Bowcutt)氏は語った。
「音速では、1日で海外へ行き、戻ってくるにはスピードが足りない。ビジネス客や軍関係者にとって、時間は極めて重要であり、重要なポイント。だが、マッハ5なら可能になる。大西洋は約2時間、太平洋は約3時間で飛べる」
極超音速旅客機のコンセプトは軍用あるいは商用での利用を検討しているとボーイングは公式発表に記した。さらに、このコンセプトは研究中の複数のコンセプトの1つと付け加えた。
「我々は、かつてない速さで世界を結ぶ極超音速テクノロジーの可能性に期待している」とボウカット氏。
「ボーイングは、極超音速機の設計、開発、飛行実験について60年の実績がある。それが極超音速テクノロジーの実用化を我々がリードしている理由」
「極超音速旅客機は、今後20~30年で実現するだとう」と同氏は付け加えた。
[原文:Boeing's hypersonic passenger plane concept could one day get you from London to New York in 2 hours]
(翻訳:Makiko Sato、編集:増田隆幸)