吉本興業、北海道の下川町と「笑い」で町おこし —— きっかけは国連の開発目標

吉本興業と北海道下川町が2018年7月2日、連携協定を結んだ。「笑い」で町おこしを目指すという。

吉本×北海道下川町

吉本興業と北海道下川町が連携協定を結んだ。会見には、タレントの木村祐一、千鳥、ガンバレルーヤらも登場。

下川町は、北海道の北部にあり、人口は3350人(6月1日現在)。村の面積のおよそ9割が森林のため、林業が盛ん。スキーのジャンプ競技も盛んで、葛西紀明選手も下川町の出身だ。

少子高齢化が進み、住民の約4割が高齢者。地域が抱えるさまざまな問題が凝縮された「課題先進地域」だ。

町のホームページによれば、東京から町を訪れるには、羽田空港から旭川空港まで空路で約1時間40分、そこから車で2時間ほどかかる。

大﨑洋社長

北海道下川町との連携について説明する、吉本興業の大﨑洋社長

あまり縁のなさそうな、吉本興業と下川町が協定を結ぶことになったきっかけは、国連が推進するSDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)だ。SDGsは、「貧困をなくそう」「飢餓をゼロに」「ジェンダー平等を実現しよう」といった17の目標が定められている。

2017年12月に、SDGsを推進している企業や団体を表彰する「第1回ジャパンSDGsアワード」で、下川町が内閣総理大臣賞、吉本興業が特別賞を受賞した。

吉本興業と下川町は「SDGsの達成に貢献する」との目標を定め、大﨑洋社長と谷一之町長が協定書に調印した。協定の期間はSDGsの達成期限とされている、2030年12月末までだ。

北海道下川町の谷一之町長

吉本興業との連携協定について説明する、北海道下川町の谷一之町長

この日の会見で、大﨑社長は「社員やスタッフ、芸人さんが足しげく下川町に通って、いろんなプロジェクトを発足させて、下川町の皆さんがどんなことをなさっているのか勉強したい」と話した。

谷町長は「資源は豊富な町だが、経営資源としての人材や仕組みづくりは乏しく、エンターテインメントのパワーとエネルギーを必要としています」と述べた。

吉本×北海道下川町協定調印

調印した協定書を披露する吉本興業の大﨑洋社長と下川町の谷一之町長

今回の協定で吉本興業は、下川町にイベント会場を設置、お笑いライブを開くなどして、地域を盛り上げる。下川町の特産品のPRも支援する。

吉本興業はこのところ、全国47都道府県に芸人が移住して生活する「住みます芸人」など、地域での取り組みを強めている。

(文、写真:小島寛明)

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