国境警備隊のジョージ・セイヤーとレネ・キンタニヤ。
Daniel Brown/Business Insider
テキサス州南部で移民問題や親子が別々に収容された問題を取材していたとき、筆者は国境警備隊のパトロールに同行できるとの知らせを受け取った。
「リオ・グランデ地区は、アメリカの検挙数の約40%を占めている」とその数日後、国境警備隊のクリス・サイラー(Chris Seiler)はパトロールに向かう道中で筆者に語った。
「厳密に言えば、ここマッカレンだけで全米の約20%にのぼる。我々は毎日、約300人を国境から50マイル内のエリアで逮捕している」
7月1日(現地時間)、アメリカとメキシコを隔てるリオ・グランデ川周辺をパトロールするサイラーとレネ・キンタニヤ(Rene Quintanilla)に朝から5時間近く同行した。
以下は、そのときの様子だ。
サイラーとキンタニヤは筆者をボートに乗せた。他の隊員もいた。
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我々は数時間、リオ・グランデ川を行き来し、適宜、川岸に降りて周囲をパトロールした。隊員は、大きなエンジン音がする高速ボートは密入国への抑止力になると語った。
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犯罪組織や密輸組織は、密入国者を送り出す前に警備隊がいないかどうかを調べるために川沿いに人を置いている。
廃墟や写真のような建物から警備隊の様子を探っている。
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徒歩や泳いで渡ろうとする者もいるが、ほとんどは小舟やゴムボートを使う。アメリカ側の川岸には、萎んだゴムボートがいくつもあった。密入国に使われたものだ。
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筆者はキンタニヤに人々が密入国する理由を尋ねた。彼は理由はさまざまだが、密輸業者や犯罪組織によって密入国を強いられる者もいると教えてくれた。
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隊員たちはしばしば残された足跡を探す。密入国者がいつ、どうやって国境を超えたかを知るためだ。
大きなサトウキビ畑に続く小道に出た。
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また萎んだゴムボートがあった。
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ジョージ・セイヤー(George Syer)は、サトウキビ畑ならではの難しさを語った。
そして国境警備隊の仕事の難しさは、人道的使命と自分の身を守ることの境目にあると語った。
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ときには密入国者を不当に扱い、行き過ぎた暴力を振るっていると批判されることもある。だが、規則に従ってばかりいると、危険にさらされたり、任務の遂行が困難になる。彼らに課せられた負担は大きい。
隊員たちは日常的に死体と出会う。自分たちも銃撃されたり、殺されることもある。そうした体験が大きなトラウマにもなる。
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サイヤーは、警備隊に見つかると子どもを船の外へ投げ出す密入国者も珍しくないと語った。その場合、隊員たちはまずは子どもの救出に向かう。
キンタニヤは、他の隊員とともに地元の学校やメキシコ系アメリカ人の居住区となっている低所得者用住宅で数多くの奉仕活動を行い、話をした若者の中には、彼を信用するようになり、暮らしを立て直した者もいると語った。
その後、隊員たちは筆者をロス・エバノスという荒廃した町に連れて行った。多くの密入国者が廃墟に隠れている。数多くの野良犬もいた。キンタニヤは、ときどき、誰かいないか確認しに来ていると語った。
最後にマッカレンのメインの通関手続所がある橋のたもとに向かった。アメリカで最も密入国の多いエリアにもかかわらず、誰も逮捕しなかった。緩やかな朝だった。
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(翻訳:Hughes、編集:増田隆幸)