アルファロメオのSUV「ステルヴィオ」
Alfa Romeo
ニューヨークモーターショーがまもなく開催され、多種多様な新車が展示される。マンハッタンの富裕層は自分で車を運転せず、住民の多くも車を所有していないにもかかわらず、自動車メーカーにとってニューヨークは重要なマーケットなのだ。
毎年、多くの人がこのショーを楽しみにしている。一方、自動車メーカーにとっては、ニューヨークモーターショーは大小一連のモーターショーのラストとも言える。昨年、ロサンゼルスからスタートし、デトロイト、ラスベガスで行われたCES、ヨーロッパ、シカゴ、ワシントンD.C.、そしてニューヨーク。
ニューヨークモーターショーは、自動車業界にとってはある種の「区切り」となる。つまり、乗用車やトラック、その他、このショーに並べられたものは、アメリカの自動車マーケットの縮図となるからだ。
主役はSUV
ほとんどのメーカーがクロスオーバーやSUVを発表する。今やSUVは一番の売れ筋だからだ。スポーツカーやセダンも発表されるが、ニューヨークのあるアメリカ北東部ではSUVが主流だ。
「レンジローバー・ヴェラール」
Jaguar Land Rover
高級車マーケット
アメリカ北東部は、高級車の主要マーケットだ。今は特に、大型の高級SUVが売れている。ショーには、メルセデス、レンジローバー、ボルボ、アルファロメオの高級SUVが並ぶ。またジャガーからは、燃費に優れた4気筒ディーゼルエンジンを積んだFタイプ、ビュイックやポルシェも高級ワゴンを発表する。
ポルシェ「パナメーラ スポーツ ツーリスモ 」
Newspress
テクノロジーよりも実用性
自動車についての最新テクノロジーは、ニューヨークの前にロサンゼルスやCESで語り尽くされる。そのため、ニューヨークでは未来の話よりも、より実用面が重視される傾向がある。ユーザーはもちろん新車を入念にチェックするが、快適さや燃費、ラゲッジルームの広さ、安全性などが重視される。
ジャガーのスポーツ・クーペ「Fタイプ」
Hollis Johnson
つまりニューヨークモーターショーは、その場所柄に反して、最もユーザー視点に立ったショーなのだ。ロサンゼルスは従来は環境技術が、最近ではハイテクが注目されている。CESはもちろん自動運転などのハイテクが中心だ。デトロイトはビッグ3のお膝元でもあり、ビッグ3の車がメインになる。そしてヨーロッパでは目を見張るようなスーパーカーが並ぶ。
ニューヨークモーターショーは、また夏の自動車商戦の直前にもあたる。アメリカの自動車市場が少し弱含みになっているので、ちょうど良い刺激となる。ここが盛り上がれば、自動車メーカーにとってはうれしい兆候となるのだ。
ニューヨークモーターショーは、現地時間の12日から23日まで開催される。
source:Alfa Romeo、Jaguar Land Rover、Newspress
[原文:The New York Auto Show is symbolic of everything dominating the car business right now]
(翻訳:増田隆幸)