クックパッドが生鮮ECサイトに参入、「置き配」場所をシェアする

クックパッド

クックパッドは、生鮮ECサービスに参入する。宅配は近年、各社が手がけ始めた「置き配」だ。

出典:クックパッド

クックパッドは、生鮮ECサービス「クックパッドマート」を始める。

サービスの特徴は、商品の受け取りを「利用者が選んだ場所で、好きな時間に受け取ることができる」こと。

取り扱い商品の対象は、地域の小規模な食品店など。宅配の仕組みは、荷物を受け取り場所で保管する「置き配」。受け取り場所は、ユーザーが日常的に通う施設(クリーニング店や食料品店)を想定している。開始時期は、2018年8〜9月ごろ。送料は無料、1品から注文が可能だ。

cookpad

サービスの特徴。

出典:クックパッドマートのサイト

クックパッドマートは、利用者が事前にアプリで注文・決済した商品を受け取るサービス。8〜9月に、まずは東京都の一部(目黒、渋谷、世田谷の一部)でサービスを開始する。その後、関東の都市圏を中心に展開する予定だ。ユーザーは商品の金額以外の支払いはないという。

クックパッドマートに参入する店舗には、商品のパッケージや内容に一定の基準を設けるが、参入費用はゼロ円。売り上げに応じて、一定の手数料をクックパッドに支払う仕組みだ。店舗の範囲は、1配送業者が集荷で回れるエリアという。アプリでは、クックパッドが提供する数十種類のレシピから、食材を注文できる画面も表示する。

サービス開始時は、販売店舗と受け取り場所はそれぞれ、数店舗〜数十店舗、取り扱い商品は、数百種類。ユーザーや店舗の目標数は、当面は設けないが、将来的には都市部のすべての地域で使え、数百万人規模、店舗数は数千〜数万規模を目指している。パンや野菜などは、無店舗型の個人事業主も参加できる仕組みを考えているという。

クックパッド

クックパッドマートの宅配は、1台の配送車が販売店・生産者を順番に回って集荷、受け取り場所に届ける。配送コストを下げ、EC参入のハードルを低くする。

出典:クックパッド

宅配は既存の宅配業者と連携する。1台の配達車が店舗を回って商品を集め、順次、受け取り場所に届けて行く。集荷・配送の所要時間は、3、4時間と見積もる。物流の場所や在庫の保管場所を持たないことで、配送のコストを下げ、送料無料を実現するという。

受け取り場所は、ユーザーの徒歩圏内に数カ所から数十カ所を設ける。クックパッドは受け取り場所と提携し、月額数千円〜数万円程度の協力金を払い、専用のラックを置く。ユーザーは注文の番号と照会して、荷物を受け取る。受け取り場所の営業時間内なら、いつでも受け取れる。

MartStation

受取場所の設置イメージ図。受け取り場所では、専用のラックで荷物を保管する。ラックの大きさは、自動販売機の約半分程度。

出典:クックパッド

クックパッドマートが解決したいことについて、買い物事業部の福崎康平部長は、次のように3点の問題を挙げる。

  • 従来のネットスーパーは、買いだめを促進するサービス
    「従来のサービスは物流センターを大きく構えて、配達店も構え、遠くから食材を調達、また遠くに配送する。1度の注文でも配送コストが高く、買い貯めさせる。配送に時間もかかり、鮮度の維持も課題になる」
  • 小規模な生産者・販売者がネットスーパーに参入できない
    「ネットスーパーのモデルは大手が自社の流通網で配達し、参入コストが高い。大手宅配業者も、ネットスーパーのパッケージを売っているが、料金が高額。商店街や地域の食料品店の方が、良いもので、高くない。ただ、ネットスーパーは大手しか参入できず、このままだと、商店街が衰退する」
  • 住む場所で毎日の食生活が決まる
    「普段はほとんど自宅近くのスーパーで買い物をすると思う。住む場所を変える以外に、毎日の食生活を変える手段がない。家の近くに良いスーパーがあっても、撤退すれば、買い物難民になってしまう」

cookpad

クックパッドマートを開発した福崎さん。

福崎さんは、「クックパッドマートでは、初期費用ゼロで、店舗が参入するプラットフォームを提供することで、地域で有名な店、人気のお店の商品を販売できる」と話し、ユーザーには生活圏内で普段は出合えない食品との接点を増やす。

受け取り場所は、人が管理する「カーシェアリングのステーションのようなイメージ」だ。福崎さんは言う。

「生鮮食品は、何十兆円のマーケット。いろいろなものがECになるのに、スーパーに行って買い物する。イノベーションが起きていない。自動運転が実現するのは、まだ先。(荷物の受け取りに、場所まで)100メートルくらい歩いてもらう方が、みんな幸せになる」

(文、撮影・木許はるみ)

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