ミサとマイクは家を買う代わりに、ボートを購入した。
Melia Robinson/Business Insider
ミサ・ギディング チャットフィールド(Misa Gidding-Chatfield)とマイク・クラフト(Mike Kraft)が一緒に暮らすことを決めたとき、2つの選択肢があった。すなわち、50万ドル(約5500万円)の家をベイエリア近郊(サンフランシスコまで1時間の通勤になる)に購入するか、港に浮かぶボートで暮らすか。
ボートで暮らすことを決めてから10年、夫妻は残りの人生も海の上で暮らすことを考えている。
ボートでの暮らしとはどんなものなのか、マイクとミサの家を訪ねた。
これがマイクとミサの愛すべき家。
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「ボートで暮らしたいといつも考えていた」とサンフランシスコの電気工事会社でプロジェクトマネージャーを務めるマイクは、ある晴れた日、イースト・ベイに浮かぶボートの上で我々に語った。
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「友だちや家族は、私たちのことをクレイジーと言った」とミサ。2005年、2人はボートを探し始めた。周囲の誰もがバブルの高値の中で、住居を購入していた。
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2人は、賃貸住宅に無駄にお金を使ったり、住宅購入に貯金を注ぎ込んだりするより、ボートで暮らす方がお金を節約できると考えた。サンフランシスコは、アメリカで最も不動産が高い場所。2005~2018年の間に、不動産価格の中間値は84万ドルから160万ドルに上昇した。
2人は、ベイエリアのマリーナでの居住許可を申し込み、ボート探しを始めた。
マイクとミサは、シアトルからロサンゼルスまで200以上のボートを見た。そして、引退した造船技師が設計した58フィート(約18メートル)のフィッシングボートを見つけた。価格は約30万ドル(約3300万円)だった。
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広さは900平方フィート(約84平方メートル)、夫婦と救助犬のロキシー(Roxie)が暮らすには十分だった。
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でも、ミサは荷物を減らさなければならなかった。彼女は家具や本を手放し、美術用品を保管するために倉庫を借りた。たくさんの植物は、ボートに持ってきた。
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2人は新しいカーペットとウッドパネルで、家らしくなるようボートをリフォームした。
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特注のキャビネットはテレビを収納できる。リビングがスッキリする。
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キッチンの収納スペースはあまり多くないため、包丁類はマグネットで壁にくっつけている(港から海に出るときは、包丁は収納する)。
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2人は夕食のほとんどに、ブルー・エプロン(Blue Apron)、サン・バスケット(Sun Basket)、ハロー・フレッシュ(HelloFresh)などの食材宅配サービスを利用している。ミサはこうしたサービスがお気に入り。必要な分だけの食材が届くから。
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下部フロアには、孫のための2段ベッドを含め、ゲスト用ベッドルームが2つある。
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ミサは子どもたちの部屋から離れた場所に小さなスタジオスペースを設けた。小さなハッチから自然光が差し込む。
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主寝室は落ち着ける空間、デッキの下にある。
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狭いがトイレは3つある。脱塩タンクから、シャワーやキッチン、製氷機に使える最大800ガロン(約3000リットル)のきれいな水が供給される。
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ボートと地上の家で暮らす大きな違いの1つは、汚水処理タンクを月に1度、空にしなければならないこと。タンクがいっぱいになると、特製の「Full of Shit」アラームがつく。
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ボートでの暮らしにはいくつか特典がある。1つは、ハーバービュー。
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日中、長時間働いたあと、ミサはマリーナを歩き回ったり、他のボートを見たりすることがお気に入り。2人は週末には、近くのエンジェル島やトレジャーアイランドへの旅行を楽しんでいる。
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小さなコミュニティーなので、マリーナには強いつながりがある。ドックにボートを留めるときは、いつも近くの人がやってきて、ボートを固定するのを手伝ってくれるとマイクは語った。
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毎月の出費には、ボートのローン(残り約15万ドル)と停泊費900ドルが含まれる。
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またオイル交換に加えて、3カ月ごとにダイバーを雇って、腐食を防ぐためにボートの底を清掃しなければならない。
維持費と改修費はとても高い。
ボートでの生活は誰にでもできるものではない。メンテナンスが大変だから。2人は毎週末、3時間かけてボートの外側を洗っている。「怠け者には向かない」とマイク。
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だが、その価値はある。「バケーションであり、我が家。そして情熱そのもの」とミサは語った。
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(翻訳:Makiko Sato、編集:増田隆幸)