ヤフー、レシピ動画「クラシル」のdelyを子会社化 —— 世界No.1目指す創業4年ベンチャー

ヤフーが料理レシピ動画サービス「kurashiru(クラシル)」を運営するdelyの株式を新たに取得して、連結子会社にする。国内最大のポータルサイトの運営に加えて、ホテル・旅館の予約サイト「一休」やオフィス用品販売の「アスクル」を子会社に持つヤフーは、事業ポートフォリオを多様化する。

一方、創業4年のスタートアップ、delyはヤフーが持つメディアやコマース事業などの基盤を活用することで今後、さらなる事業の拡大を進める方針だ。

堀江裕介

dely創業者の堀江裕介氏。1992年生まれ。(写真は2017年9月撮影)

ヤフーは子会社を通じて既に15.9%のdely株式を保有していたが、同社は2018年7月11日、29.6%の株式を新たに取得する譲渡契約を締結したと発表。取得額は約93億円で、ヤフーの持ち株比率は45.6%に拡大する。ヤフーはdelyに取締役の過半数を派遣する。

dely創業者の堀江裕介氏は、1992年生まれ。慶應大学在学中の2014年に同社を設立した。2度の事業転換を経て、2016年2月にレシピ動画サービス「kurashiru(クラシル)」をスタートさせた。「世界No.1」にこだわるdelyは2014年の創業以来、2016年11月に約5億円、2017年3月に約30億円、そして2018年1月には約33億5000万円の資金を調達し、事業の拡大を加速してきた。

2017年8月にはレシピ動画数で世界一を達成し、2018年6月にはアプリのダウンロード数で1200万を突破させた。また、7月5日には、同じくレシピ動画サービスの「mogoo(もぐー)」を運営するスタートアウツの買収を発表し、M&A(合併・買収)戦略も強化している。

国内の料理レシピ動画では、BuzzFeedが運営する「Tasty Japan」(日本版の正式創刊は2016年8月)や「DELISH KITCHEN」(2015年9月にサービス開始)などが事業を展開している。DELISH KITCHENは2018年4月、アマゾンジャパンと連携し、レシピの調理に必要な食材をAmazonフレッシュでの購入を可能にするなどして、ユーザーベースの拡大を図っている。

クラシル

「kurashiru(クラシル)」の料理動画制作の様子。

後発のクラシルが先行するサービスを圧倒するメディアに成長できた理由として、堀江氏は以前、Business Insider Japanの取材で、「分散型」と「アプリ」の両面でユーザーを増やす戦略が当たった、と語っていた。

年間約9000億円を売り上げるヤフーは2018年度に、「eコマース」「インターネット広告」「モバイル決済」の領域に300億円を投資する方針を明らかにしていた。また、ヤフーは7月10日、自己株式の1割を約2200億円で取得すると発表し、株式市場の注目を集めている。

ソフトバンクグループ(SBG)の携帯子会社、ソフトバンクが米アルタバが保有する2210億円相当のヤフーの普通株式(10.78%)を公開買い付け(TOB)で取得する。ヤフーはほぼ同等比率の株式をSBGから別のTOBで取得するという。

(文・佐藤茂、西山里緒、写真・今村拓馬)

(編集部より:株式の譲渡契約の内容を加え、記事を2018年7月11日15:40に更新しました)

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