エアバス ベルーガ。世界で最も奇妙な外見を持つ航空機であることは間違いない。
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- エアバスの貨物機「ベルーガ」は、エアバス機の巨大な部品を最終組立工場に運んでいる。
- 現在5機あるエアバスA300-600STベルーガは、20年間使用されてきた。
- 同社はより大型の次世代貨物機「ベルーガXL」を発表。
- ベルーガXLは貨物機エアバスA330-200Fがベース、2019年に運航開始の予定。
エアバスとその子会社は、長年にわたって極めて意欲的で興味深い航空機を構想してきた。2階建てのA380スーパージャンボが、その一例。
だが、本当に際立っているのは、エアバス ベルーガ。世界で最も奇妙な外見を持つ航空機であることは間違いない。
ベルーガは、ヨーロッパ各地にある協力会社の工場から、フランスのトゥールーズとドイツのハンブルグにある組立工場まで、エアバス機の主要部品を運ぶために設計された貨物機。
主要部品とは、エアバスA320の胴体や尾翼、A350の主翼などを指す。
ちなみに、エアバスはヨーロッパでの部品輸送のために貨物船やトラックも使っている。
先日、エアバスはユニークなスタイルの次世代の貨物機「ベルーガXL」を公開した。
ベルーガXLは、20年間使われてきたA300-600STベルーガのあとを引き継ぐ。
ベルーガという名前は、巨大な海洋哺乳類「シロイルカ」を意味するもので、その姿はとても似ている。実際、新しいベルーガXLには、シロイルカのような塗装が施されている。
エアバスによると、同社が輸送力の増強のためにベルーガXLの製造を決定したのは2014年11月のこと。2019年中に運航開始の予定。
エアバスA330-200Fをベースにしているため、ベルーガXLはより大型化し、積載能力も大きくなった。現行機よりもパフォーマンスも格段に向上すると期待されている。
ベルーガとベルーガXLを詳しく見てみよう。
エアバスは数多くの部品を、フランスとドイツにある組立工場まで運ばなければならない。航空機のすべての部品だ。
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以前、エアバスはボーイング377ストラトクルーザーをベースにした貨物機「グッピー」を使っていた。
Flickr/Alan Wilson
1990年代の中頃から、エアバスはベルーガと名付けた貨物機を使い始めた。同社のA300-600をベースにした貨物機。正式名称「A300-600STベルーガ」。
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エアバスは現在5機のベルーガを使っている。
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丸い胴体のベルーガはかなりの積載量を誇る。
Christopher Furlong/Getty Images
胴体部分を丸ごと運べる。
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尾翼も丸ごと積める。
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ボーイングも、巨大な部品を運ぶために専用の貨物機を使っている。ボーイング747-400LCFドリームリフターだ。
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2018年7月、エアバスは「ベルーガXL」と名付けた次世代ベルーガを発表。
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エアバスの貨物機A330-200Fがベース。
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製造中の様子。
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ベルーガXLは、現行のベルーガよりも20フィート(約6メートル)長く、貨物室の幅は3フィート(約90センチ)広い。11万ポンド(約50トン)の貨物を運べる。
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ベルーガXLは2018年夏に初飛行を行い、10カ月のテストを経て、2019年に運航開始の予定。
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(翻訳:Makiko Sato、編集:増田隆幸)