Surface Go。本体、キーボード、デザインを合わせたマウス、Surface Penが同時発売。
マイクロソフト
米マイクロソフトがタブレット型2in1PCの新型「Surface Go」を発表した。価格は本体399ドル〜(約4万4300円〜)と、かなり思い切った低価格でのデビューだ。アメリカなど当初出荷国での予約は7月10日から、日本でも数週間のうちに予約が開始される模様だ。
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価格帯、ペン対応、画面サイズをみると、この仕様は「10.5インチiPad Pro」に真正面からぶつけてきた競合機種との印象が強い(もちろん本国アメリカでは、文教市場でトップシェアのChromebookまで含めた“対抗”機種を意図しているはずだ)。
どのくらい「意識」しているのかは、仕様を並べて比較するとよくわかる。
「価格が衝撃的」なSurface Go
個人的に普段からiPad Pro 10.5を使っていることもあって、ユーザー目線で、現在判明しているSurface Goの仕様を以下の表で比較してみた。
一番大きいのは、価格面のインパクトだ。iPad ProとSurfaceに共通する特徴に「ほぼセット購入の純正キーボードがそこそこ高い」ということがある。本体価格が安く見えても、総合計ではそれなりの金額になるのがこれまでだった。
今回のSurface Goは、本体価格も安いが、純正キーボードも円換算で1万1000円程度とかなり抑えた価格設定だ。2015年発売で低価格が話題になった入門機「Surface 3」の499ドルより、さらに100ドル安い。純正キーボードと合計しても、Wi-Fiモデルなら5万5300円程度から手に入る計算になる。これはiPad Proの純正キーボードセットに比べて約3万円ほど安く済む計算だ(もちろん、日本版の発表時まで、本当にいくらになるのかはわからないが)。
Surface Penはこんな風に画面の短辺部分に磁石で吸着させることができるようだ。
マイクロソフト
IT取材記者界隈では、この2年ほどでiPad Proを取材道具に使う人が増えてきた。その理由は2つ。「軽量で意外とバッテリーがもつ」ことと「出先でもカフェでも、LTEでいつでも繋がる快適性」だ。
マイクロソフトによると、Surface Goは9時間程度のバッテリー駆動が可能。スタミナ性能の点でも、iPad Proとほぼ互角になるように設計されている。
液晶の解像度は、海外メディアによると1800×1200ドットと報道されている。液晶の解像度ではiPad Proに劣るものの、実用面で気になるほどの差は出ないだろう。
(※Surface GoとiPad Pro比較の詳細版は以下にまとめた)
日本版発表時に注目は「CPU性能」と「LTE版の発売時期」
10インチながらキーピッチは余裕のあるつくりであることがうかがえる。
マイクロソフト
日本版登場は「今後数週間以内」(マイクロソフト公式発表)だという。最後に、その際にチェックすべきポイントを2つ挙げる。
1つ目は、実機を触らなければ評価が見えないCPU「Pentium Gold 4415Y」の性能。このCPUはインテルのローエンド向けで、価格が安い代わりに性能も抑えられている。実仕様でどれくらいの性能を持っているのかは、まだよく分からない。
ちなみにメモリーについては、おそらく4GBだと不足を感じるシーンが出てくると想像できる。メインマシン的に使う人なら、8GBモデルを選ぶ方が無難かもしれない(iPadはOSが違うので、メモリー容量の比較はあまり意味がない)。
右側面にUSB type-C、イヤホンジャックを搭載。本体にはmicroSDカードスロットもある。
マイクロソフト
2つめは、LTE版がいつ国内投入できるのか。昨年発表のSurface Proでもあったが、マイクロソフトの場合、LTE版の発売に時差が結構あるケースがある。LTE版一択の人は、ある意味一番気にしておかなければいけない部分かもしれない。
とはいえこのSurface Go、店頭でiPad Proと並べて展示されたら、かなりの競合機種になるのは間違いなさそうだ。もっとも、Surface Goの発売を一番恐れているのは、きっとアップルではないだろう。
誰より脅威を感じているのは、同じ棚に並べられるだろう他のPCメーカーたちのはずだ。
アメリカで公表されたSurface Goのスペックシート。現地ではすでに事前予約の受付が始まっている。
マイクロソフト
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(文・伊藤有)