ニューヨークの通勤ラッシュはまだまだ? 世界で最も人口が過密した都市と比べてみた


車両から車両に飛び移る男性

車両から車両に飛び移る男性。バングラデシュのダッカにて。

Mohammad Ponir Hossain/Reuters

世界の人口に関する情報を扱っているPopulation Reference Bureauによると、2050年までに世界の人口の70%が都市部に集中する。

世界で最も人口が過密した都市は、それぞれ固有の課題に取り組んでいる。住宅、パーソナルスペースはもちろん、インフラが限界に達しているところもある。

過密した都市での暮らしを見てみよう。

ニューヨークはアメリカで最も人口密度が高い都市。1平方マイル(約2.6平方キロメートル)の人口は2万7000人以上。その結果、交通機関は常に遅れ、通勤者を悩ませている。だが、そんな息が詰まりそうな街も、世界の最も過密した都市と比べると大したことはない。

ニューヨークの街並み

Luciano Mortula/Shutterstock

出典:NYC Population

例えば、マニラ。世界で最も過密した都市では、1平方マイルに10万7000人が暮らしている。

バス車内の光景

Erik de Castro/Reuters


マニラの出生率は3.1人。2025年までに人口は2倍になると専門家は予想している。だが、人口増加にマニラのインフラは耐えられないと懸念されている。

人で埋め尽くされた階段

John Javellana/Reuters

出典:World Population Review

過密による弊害は、交通に最も顕著に現れる。インドのコルカタの1平方マイルの人口は6万3000人。すでに大混雑状態の高速道路はモンスーンの季節にはさらに混雑する。

渋滞する道路

Parth Sanyal/Reuters


住居も問題。コルカタでは、家と仕事道具が一緒になっている人もいる。荷台つき三輪車の置き場で、男性が歯を磨いている。

仕事道具である荷台つき三輪車の駐輪場にて、歯を磨く男性

Rupak De Chowdhuri/Reuters


だがコルカタもインドではまだ大したことはない。ムンバイでは1平方マイルに7万3000人が暮らし、住居は考えられないくらい小さくなっている。

アパート

Danish Siddiqui/Reuters


100平方フィート(約9平方メートル)の住居の家賃は、1平方フィートあたり0.04ドル(約4円)〜0.06ドル(約6円)。

正面から見たアパート

Danish Siddiqui/Reuters


香港では、60平方フィート(約5.6平方メートル)の極小サイズのアパートに家族が暮らす。だが家賃は毎月500ドル近くかかる。

マイクロアパートの室内

Tyrone Siu/Reuters

出典:Business Insider

広い部屋に住むお金がない、あるいは一緒に住む家族がいない高齢者は、パーティションで仕切られた狭い「キュービクル・ホーム」で暮らしている。「棺桶ハウス」という怖ろしい呼び名もある。

「キュービクル・ホーム」の室内

Bobby Yip/Reuters


バングラデシュのダッカの人口密度は、1平方マイルあたり7万3000人。電車が非常に混み合っているため、乗換駅で車両から車両に飛び移る通勤客もいる。

乗換駅で車両から車両に飛び移る通勤者

Mohammad Ponir Hossain/Reuters


ダッカ市内のマーケット。野菜や新鮮な肉、蚊帳などを求める多数の客めあてに商人たちが押し寄せる。

市場

Mohammad Ponir Hossain/Reuters


イスラエルで最も過密した都市ブネイ・ブラク、人口密度は1平方マイルあたり7万人弱。政治集会や祝い事の際には、市民で溢れかえる。

人であふれるブネイブラク

Ronen Zvulun/Reuters


正統派ユダヤ教徒の大家族や近隣の小さな町から移ってきた住民が暮らしている。

超正統派ユダヤ系の集まり

Baz Ratner/Reuters


人口が過密した都市では、農村部ではありえないくらい賑やかに祝い事が行われる。インドのニューデリーでは2018年3月、数万人が街に出て、大物政治家アミット・シャー(Amit Shah)氏の当選を祝った。

当選を祝う人々

Adnan Abidi/Reuters


支持者たちは音楽を演奏し、踊り、鮮やかな色の粉を互いにかけあって祝った。

当選を祝う人々

Adnan Abidi/Reuters


人口密度が1平方マイルあたり約5万5000人近いマカオ。ラスベガスに匹敵する夜景が広がる。

マカオ

Bobby Yip/Reuters


マカオの驚異的な人口密度は、富(もしくはその欠如)が人口過密を、公共問題にも、巨大な経済的機会にも変え得ることを浮き彫りにした。

夜景と花火

Bobby Yip/Reuters


こうした都市と比べるとほんの一瞬、ニューヨークが古めかしく思えた。

ニューヨーク市

Flickr/Jerry Ferguson


[原文:New York's commuter nightmare is bad, but the world's most crowded cities are even worse

(翻訳:Yuta Machida、編集:増田隆幸)

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