Reuters/Al Project
- アディダスは、世界全体のスポーツウェア市場でナイキほどには成功していない。
- 2026年のワールドカップがアメリカ、メキシコ、カナダの3カ国で開催されることは、サッカーのカテゴリーでナンバー1のアディダスにとって追い風になりそうだ。
- マッコーリー(Macquarie)のアナリスト、アンドレアス・インデルスト(Andreas Inderst)氏によると、アメリカのサッカー関連のスポーツウェア市場は、2026年のワールドカップをきっかけに大きく成長しそうだ。
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スポーツアパレル全体で見ると、世界でアディダスはナイキに大きく水をあけられている。しかし、2026年にワールドカップがアメリカで開催されることで、その差は縮まりそうだ。
2026年のワールドカップには「大きな戦略的価値があり、アディダスにとってまたとないチャンスだ」マッコーリーのアナリスト、アンドレアス・インデルスト氏は11日(現地時間)、顧客向けのメモで書いた。インデルスト氏は、ワールドカップをきっかけに世界のスポーツウェア市場でアディダスがナイキに追いつくとは言わなかったが、アディダスがその差を縮めるだろうと見ている。
世界のスポーツウェア市場のシェア(2017年)。
Euromonitor
だが、「サッカー」というニッチなカテゴリーに限れば、29%のシェアを占めるアディダスが世界ナンバー1だ。インデルスト氏によると、ナイキが2位でそのシェアは26%だという。
「サッカー」市場のシェア、トップ3(2018年、推定)。
Macquarie
FIFAは『FIFA 2.0』のレポートの中で、「世界中の全てのレベルにおいて、サッカーを進化、発展させていく」ことをその目標に掲げている。そして、これはアディダス、ひいてはサッカーアパレル市場全体にとって朗報だ。なぜなら、サッカーはアメリカではあまり人気のあるスポーツではないからだ。
「ヨーロッパやラテンアメリカでサッカーが熱狂的な人気を誇る一方で、アメリカにはサッカー以上に盛んなチームスポーツが数多くある。これはアディダスにとって、大きなデメリットだった」インデルスト氏は指摘する。世界のスポーツウェア市場に占めるアメリカのサッカーアパレル市場の割合はわずか2%だが、西ヨーロッパ市場の割合は約9%だという。
ワールドカップがアメリカで開催されることで、「サッカー市場が急成長する可能性は高い」とインデルスト氏は見ている。「アメリカでサッカーが他のスポーツに後れを取っていることを考えれば、業界におけるサッカーの成長の可能性は大きい」
インデルスト氏は、アディダスの目標価格を現在の水準より約37%高い、240ドルとしている。
アディダスの株価は2018年に入って、9.16%伸びている。
[原文:The 2026 World Cup is an 'open goal for Adidas' that'll help close its gap with Nike]
(翻訳、編集:山口佳美)