ノバルティスの幹部が語る、製薬会社が社会と結ぶ"2つの契約"とは?

ジェイ・ブラドナー氏

ノバルティス バイオメディカル研究所の所長、ジェイ・ブラドナー氏。

Novartis

  • 製薬大手ノバルティスの幹部、ジェイ・ブラドナー(Jay Bradner)氏は、同社と社会の間には契約が存在すると考えている。
  • 「わたしたちは社会と契約を結んでいて、社会はわたしたちのシェアホルダーです。わたしたちのような企業は、命を脅かす病に効果的な影響をもたらし、人々の健康を長きにわたって維持し、長寿を可能とするために存在します。それだけです」ブラドナー氏はBusiness Insiderに語った。
  • この記事は、Business Insiderの特集シリーズ「ベター・キャピタリズム(Better Capitalism)」の一部。

社会と製薬会社の関係は、複雑だ。

アメリカでは医療費が上昇していて、増大する処方薬の費用は多くのアメリカ人を経済的困窮へと追いやっている。これは患者にとって大きな負担となり得る。

こうした中、製薬会社に対しては、彼らが作る医薬品を必要としている人のために、正しいことをすべきだという圧力が高まっている。

「これこそが、製薬会社と社会が結んでいる社会契約なのです。命を脅かす病に対して有効な医薬品を提供すること、そしてそれらの医薬品に対するアクセスを半永久的に提供することです。社会がわたしたちのような企業に対して、この2つの志を実現する責任を負わせるのは正当なことです」ノバルティス バイオメディカル研究所の所長、ジェイ・ブラドナー氏はBusiness Insiderに語った。

新しい治療法の開発は、時間とお金のかかるプロセスだ。多くの場合、新薬は開発過程でかかった費用を回収するために、高価格で販売される。一定期間が経つと、競合するジェネリック薬品が現れ、価格が下がり始める。ノバルティスは、医薬品開発事業の他に「サンド(Sandoz)」というジェネリック医薬品事業部門を抱えている。

アメリカではここ数年、国民や政治家が、アメリカ人の直面している処方薬の高価格化問題の責任は製薬会社にあると非難していて、製薬会社の評判は打撃を受けている。7月9日(現地時間)には、トランプ大統領が一部処方薬の価格を引き上げた製薬大手ファイザーを名指しで批判している

ブラドナー氏は、ノバルティスにとって社会は、投資家だけでなく、従業員や患者といったステークホルダーと同じくらい重要なシェアホルダーだと考えている。

「わたしたちは社会と契約を結んでいて、社会はわたしたちのシェアホルダーです。わたしたちのような企業は、命を脅かす病に効果的な影響をもたらし、人々の健康を長きにわたって維持し、長寿を可能とするために存在します。それだけです」ブラドナー氏は語った。「わたしたちがその目的に忠実であり続け、その約束を果たせば、製薬業界全体にとっての課題である、社会の信用を得ることができると思います」

[原文:A Novartis executive explains why the pharmaceutical industry has a 'contract with society'

(翻訳:Yuta Machida、編集:山口佳美)

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