アップル、世界最大級のスマートフォン市場で大きな失敗

iPhoneを使うインドのユーザー

アップル、インドで高価なiPhoneの販売に苦戦。

Adnan Abidi/Reuters

  • アップルは、世界第3位のスマートフォン市場、インドでのシェア拡大に苦戦している。
  • ブルームバークによると、インドでのセールスやディストリビューションを担当していた複数のエグゼクティブが会社を去り、通信事業者と関係構築にも失敗している。
  • iPhoneはインドでは、関税のために極めて高価。
  • インドのユーザーは、サムスン、Oppo、Vivoといったアジアのメーカーの、より安価なスマートフォンを購入している。

ブルームバーグによると、アップルのインドにおける3人の重役(セールス&ディストリビューションの責任者、コマーシャル・チャネル&ミッド・マーケットビジネスの責任者、テレコムキャリア・セールスの責任者)が同社を去った。

アップルは1桁台に低迷しているシェアを拡大するために、セールス・オペレーションのリストラクチャリングを進めていると伝えられた。

ブルームバークは、アップルのインド部門の責任者マイケル・クーロン(Michel Coulomb)氏が、iPhoneセールスの重要な鍵となる同国の通信事業者との関係強化の取り組みをスローダウンさせたという関係者の声を伝えた。クーロン氏は2017年末にインド部門の責任者となった。

リサーチ会社Counterpointによると、アップルはインドのスマートフォン市場ではトップ5にすら入っていない。インドのスマートフォン市場はアジア企業が支配している。

サムソンがシェア26%でトップに立ち、中国メーカーのシャオミ(Xiaomi)、Oppo、Vivo、ファーウェイ(Huawei)が続いている。5社とも、高価なフラッグシップモデルから、初めてスマートフォンを手にするユーザー向けの安価なエントリーモデルまで、アップルよりも幅広いラインナップを揃えている。

インドのスマートフォンシェア(Counterpoint調べ)—— アップルの姿はない。

インドのスマートフォンシェア

Counterpoint

Counterpointによると、アップルのシェアは約2.5%(2017年末)。2017年の販売台数は320万台のみ。Counterpointは2018年上半期は、さらに100万台マイナスのペースで推移していると記した。インドでは関税のために、iPhoneは極めて高価なものとなっている。

10億人以上が暮らすインドは、アップルにとって重要なマーケット。CEOティム・クック氏は2016年5月に初めてインドを訪問したが、その2年後には同国でのシェアが「極めて低い」ことを知ることとなった

2018年5月の決算報告でクック氏はインドについて、中国での機会創出と関連づけて言及した。

「我々にとって、明らかに大きなチャンスがあり、今、マーケットシェアは極めて低い。我々はここに大きなエネルギーを投下していく」とクック氏。

「他の国で見てきたように、いずれ大勢の人々が中産階級に移行することは明らか」

[原文:Apple is failing spectacularly in one of the world's biggest smartphone markets

(翻訳、編集:増田隆幸)

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