イギリスのギャビン・ウィリアムソン国防大臣は「テンペスト」と名付けられた次世代戦闘機を発表。イギリス・ファンボロー航空ショーにて。2018年7月16日。
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- イギリスは7月16日(現地時間)、同国で開催中のファンボロー航空ショーで、次世代戦闘機のフルサイズモックアップを公開した。
- 「テンペスト(Tempest)」と名付けられた戦闘機は、BAEシステムズ、ロールス・ロイス、レオナルド、MBDAとの共同開発。
- レーザー兵器を搭載、複数の無人機をコントロールし、サイバー攻撃にも耐えられる。無人機仕様も可能。
- イギリスは2025年までに、この機に25億5000万ドル(約2900億円)の予算を投入し、その後の計画については2025年に判断する。
イギリスは7月16日(現地時間)、同国で開催中のファンボロー航空ショーで、次世代戦闘機のフルサイズモックアップを公開した。ブルームバークが伝えた。
「我々は、新たな脅威の時代を迎えつつある。将来に焦点を置かなければならない」
Defense Newsにによると、イギリスのギャビン・ウィリアムソン国防大臣はモックアップの公開に際して、そう語った。
また公開された次世代戦闘機は、テクノロジーの方向性や可能性を示したイギリスの将来の空戦戦略と一致するとDefense Newsは伝えた。
「テンペスト(Tempest)」と名付けられた戦闘機は、BAEシステムズ、ロールス・ロイス、レオナルド、MBDAとの共同開発。レーザー兵器を搭載、複数の無人機をコントロールし、サイバー攻撃にも耐えられる。さらに無人機仕様も可能と報じられた。
テンペストを発表するギャビン・ウィリアムソン国防大臣。
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「いくつかの機能は開発途中で放棄されるだろう。1つの開発プロジェクトで、すべての機能の実現に取り組むことは、成功のハードルを極めて高くすることにつながる」とフォース・アナリシス(Force Analysis)のチーフ・ミリタリーアナリストで、ストラトフォー(Stratfor)のグローバル・フェロー、シム・タック(Sim Tack)氏はBusiness Insiderに語った。
「コンセプトは極めて現実的に思える。だが、目指すレベルによっては、開発と生産の問題が生じる可能性がある」と同氏は付け加えた。
さらに同氏は、この「計画は、ダッソーがフランスとドイツが共同開発を進める次世代戦闘機に取り組むことへのイギリスの対応でもある」と語った。
フランスとドイツは2017年7月、ダッソー・ラファールやドイツのユーロファイター・タイフーンに替わる新型戦闘機を共同開発すると発表、さらにダッソーは先日、次世代戦闘機の姿を垣間見られる映像を発表した。
Defence Blogによると、ウィリアムソン国防大臣は、イギリスは2025年までに、この機に25億5000万ドル(約2900億円)の予算を投入し、その後の計画については2025年に判断すると語った。
また同国防大臣は、すべてが計画どおりに進めば、2035年までに運用可能になると語ったとブルームバークは伝えた。
イギリスが発表した次世代戦闘機のモックアップを見てみよう。
イギリスの次世代戦闘機「テンペスト」
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コックピット
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Defense Newsが伝えた画像
テンペストの性能を表したBAEシステムズのイラスト
BAE Systems
[原文:The UK just unveiled a next-generation fighter jet that could be unmanned and armed with lasers]
(翻訳、編集:増田隆幸)