プライムはもうやめられない、ユーザーもアマゾンも

商品を配送する女性

2時間以内に商品を配送するサービス、「プライムナウ(Prime Now)」もアマゾンプライムの特典の1つ。

AP/Mark Lennihan

  • アマゾンプライムの会員特典は増え続けている。
  • アマゾンは2018年5月、この夏からプライム会員に対してホールフーズでの大幅な割引を提供することを発表した。
  • JPモルガンのアナリストによると、プライム会員の特典の価値は、年間で785ドル(約8万9000円)に相当する。
  • それを踏まえると、最近、年間119ドルに値上げされた会費もお買い得かもしれない。

アマゾンプライムは、同社にとって大切な収益源。

プライムは同社が提供するサービスの中で最も重要なものの1つ。同社はその競争力を維持するために多大な努力を払っている。

プライム会員はアマゾンを最も頻繁に利用する、同社にとって最も価値のあるユーザー。同社CEOジェフ・ベゾス氏は最近、アマゾンプライムの会員数が世界で1億人を超えたことを明らかにした

アマゾンが2018年4月、プライムの年会費を99ドルから119ドルに20ドル値上げすると発表したことはプライム会員にとって良い知らせではなかった。同社は、以前にも月会費を10ドル99セントから12ドル99セントに値上げすることを発表していた。

会費の値上げによって、契約を継続しない会員も出るのではないかとする予想もあった。だが、プライムサービスに対してポジティブな感想を述べているユーザーが多いことから、多くの専門家は会員の減少は実際には起きないと考えている

特典がどんどん増えていく

アマゾンプライムは、単に2日以内の配送を保証するだけのものと思っている人も多い。だがプライム会員には、動画や音楽配信、会員限定の商品などが提供され、アマゾンプライムの価値をさらに高めている。

2018年5月、プライム会員に新たな特典が追加された。ホールフーズでの大幅な割引が、この夏からスタートする。アマゾンは、会費の値上げを理由に会員がちょうどプライム会員をやめるかもしれないというタイミングで特典を追加し続けている。

アマゾンが毎年開催している会員限定のプライムデーもプライム会員の特典の1つ。プライムデーは、7月16日午後3時(東部標準時)に開催された。

アマゾンが長年にわたって特典を追加してきたおかげで、アマゾンプライムの価値はどんどん上がっている。

JPモルガンが最近発表した調査では、アマゾンがプライム会員に提供している特典の価値はトータルで年間785ドル(約8万9000円)に相当するとした。値上げしたものの、それでも実際の年会費の6.5倍の価値があることになる。JPモルガンは2017年、プライム会員の価値を700ドル相当と試算しており、その価値は1年で約12%上昇したことにもなる。

「アマゾンプライムは、これほどまでに大規模に、さまざまな特典を提供しているため、他の企業が真似して、対抗することは極めて難しいと我々は考えている。またアマゾンは、新しい特典を追加したりや既存の特典をアップグレードすることで、プライムの価値を拡大し、さらなる価値を追加し続けている」とJPモルガンのアナリストは記した。

つまり、会員がたとえ、すべての特典を利用しなかったとしても、支払った金額以上の価値を得ているという認識を与えているということを意味する。

「人は失うことには敏感で、心理学的には値上げは失うことを意味する」とエモリー大学でマーケティングを教えるライアン・ハミルトン(Ryan Hamilton)教授はワシントン・ポストに語った

「しかし、より幅広い観点で考えると、人は価値があると感じるものに対しては、すすんでお金を支払う傾向がある」

特典を追加した際にはアマゾンは、ユーザーが支払った金額に見合った価値があるかどうかを再検討したときに、確実に特典の内容に満足し、次の年も会員契約を更新してもらいたいと考えている。

新製品や新サービスは、そのためにアマゾンが行っている一つの手段。だが、同時に、現在提供しているサービスのレベルが低下しないように気をつけなくてはならない。

Business Insiderは、プライムの配送サービスの質が低下していると主張する多くのユーザーを取材している。すべて誤解かもしれないが。

[原文:Amazon is making it harder and harder to quit Prime (AMZN)

(翻訳:Yuta Machida、編集:増田隆幸)

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