転職のときに最も影響を受けたのは「配偶者」の意見 —— このほど発表された調査データから、売り手市場と言われる転職市場の、意外と保守的な事態が見えてきた。
転職のかぎを握るのは誰だ?
撮影:今村拓馬
リクルートキャリアは、転職サービス「リクルートエージェント」の登録者で、2017年8月〜2018年1月の間に転職をした1201人の男女を対象にWebアンケートを行った(調査期間2018年3月)。
入社を決めるときに影響を受けたのは、「配属される職場の職場長・責任者」が44.9%と最も多く、次いで「入社企業の人事」が32.4%、「友人・知人」27.4%と続く。
しかし、配偶者またはパートナーがいる回答者(595人)に限ると、6割以上が「配偶者」から影響を受けたと回答し、妻や夫の影響力が最も高いという結果だった。
「リクルートエージェント」転職決定者アンケート
出典:リクルートキャリアホームページ
Business Insider Japanではこれまでも安定・高収入の象徴だったメガバンク社員らの転職希望者が急増しているものの、実際は配偶者や親の反対で転職を思い止まる人が多いという「嫁・家族ブロック」について報じてきた。
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転職は収入や生活環境を一変させることもある。住宅ローンや子どもの教育費などを考えれば、家族の意見が重要なのは当然の結果だとも言える。
もっと会社と交渉しておけば……
一方、転職活動を振り返ったときに力を入れておけばよかったこと、つまり転職活動での後悔として最も多かったのは、「待遇や勤務時間等、応募企業との条件交渉」で44.5%だった。「家族に相談すること」は16.1%とアンケート項目の中では最も少ない。それだけ家族とは事前に入念に話し合っていたということか。
「リクルートエージェント」転職決定者アンケート
出典:リクルートキャリアホームページ
「リクルートエージェント」における2018年6月の転職求人倍率は1.77倍。転職売り手市場の状態が続いているが、家族や親の反対、勤務先からのカウンターオファーなどさまざまな理由で内定を辞退したり、転職活動を諦める人もいる。転職の成功と失敗を分けるものは何なのだろうか?
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(文・竹下郁子)