元オリンピック選手が教える、ランニング前後の正しい水分と食事の取り方

休憩する女性

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  • 2004年のオリンピックに出場したロベルト・マンジェ(Roberto Mandje)氏によると、定期的に走って、ランニングから健康面で最大限の効果を得たいなら、適切な水分補給と食事が必要不可欠だ。
  • 適切な水分補給のためには、1日を通して今よりもっと飲む必要があるかもしれない。場合によっては、電解質を加えることも有効だ。
  • ランニング前後の正しい食事も欠かせない。炭水化物を摂取しておくと良いだろう。しかし、取り過ぎる必要はなく、カーボローディングは必要ない。

燃料なしで走ることはできない。

ランニングを習慣にしようと始めたばかりの人にとって、適切なランニングシューズ選びやトレーニング計画作り、怪我を防ぐ方法など、必要な情報はたくさんある。

しかし定期的に走るつもりなら、適切な食事と水分補給の方法を学ぶことも欠かせない。走る前は毎回、十分なエネルギーを確保するために、正しく食事を取ることが重要。そして、走った後の正しい食事は筋肉の回復と強化を助け、次に走る時までにその強度と持久力を改善してくれる。

2004年のオリンピックに出場した元ランナーのロベルト・マンジェ氏は現在、ニューヨーク・シティー・マラソンを主催するNPO「ニューヨーク・ロードランナー協会(New York Road Runners)」のヘッドコーチを務めている。ランニング前後の食事と水分補給の方法について、マンジェ氏のアドバイスを紹介する。

適切な水分補給

水分補給については、走る前に水を一気飲みしようとするのではなく、1日を通して水をたくさん飲むことを意識しようと、マンジェ氏はBusiness Insiderに語った。

「水分補給の習慣をもっと自覚しよう」同氏はアドバイスする。

ほとんどの人にとって、通常の水分補給は喉が乾かない程度に飲む程度で良いはずだ。しかし、定期的にランニングをしているなら、喉が渇かなくても、もう少し多く飲む必要がありそうだ。普段、仕事の日をコーヒーだけで乗り切っているなら、定期的に水を飲むようにすることは、特に重要だとマンジェ氏は言う。

計画したランニングの予定が近づいてきたら、出かける1時間前に8〜16オンス(約240〜470ミリリットル)を、できれば走り始める直前にさらに4オンス(約120ミリリットル)の水分を取っておくよう、ニューヨーク・ロードランナー協会のウェブサイトは推奨している。長距離のランニングなら途中で水分補給をすることも必要だ。もし朝に走る予定なら、前日の夜は水をしっかり飲んでおこう。

長い距離を走るつもりがなければ、電解質の摂取を気にする必要はあまりないが、夏の暑い気候の中でマラソンのトレーニングをするなら、専用のスポーツドリンクや電解質タブレットを入れた水を飲むことが助けになるとマンジェ氏は言う。

また、走り終わった後はすぐに水分補給を始めるようにと、マンジェ氏はアドバイスしている —— 思った以上に水分は失われているのだ。暑い日は特に気を付けよう。

走る男性

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走るための食事

運動能力を向上させるにはさまざまな食事方法があるが、一般的にランナーにお薦めとされているのは、炭水化物、タンパク質、脂質のバランスが取れた、フルーツと野菜が豊富に含まれた食事だ。

ウルトラマラソンの選手、ザック・ビター(Zach Bitter)氏のような一部のランナーは、高脂質・低炭水化物の糖質制限を徹底した「ケトン食」 を採用、成功している。しかし、スポーツ科学の研究者たちは、ほとんどの人にとって運動する際の燃料として重要なのは、複合炭水化物だとしている。

マンジェ氏も同じ意見だ。長距離ランの前には、玄米やスパゲティなどを食べることが役立つと述べている —— 朝走るなら、前日の夕食に、夜走るなら当日の昼食に食べると良いだろう。

大会直前にやるかもしれないような「カーボローディング」の必要はない。普通の量を食べれば良いと、同氏は言う。

その燃料を燃やし切った後、若干のエネルギー切れを感じるだろう。すると、身体は燃料を確保するために、脂肪を燃やし始める。レースに向けて準備をしているなら、この能力を鍛えることが重要だ。

「そうすることで、身体がそれに慣れ、強くなっていく。つまり、さらに長く、さらに激しく身体を使おうとした時に、より少ない燃料でもうひと踏ん張りすることに慣れていくということだ」

走る女性

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炭水化物を燃やし尽くした後に、脂肪を燃焼することを学ぶことで、「レース当日を、より準備の整った状態で迎えられるだろう」と同氏は付け加えた。

時には、ランニング中に何かを食べることも重要だ。1〜3時間走るときは、1時間ごとに炭水化物を30〜60グラム摂取すると良い。3時間以上走るなら、もっと多く摂取する必要がありそうだ。

そして、走り終えたらすぐにタンパク質を取ろう。

「傷ついた筋肉を修復するために、身体がタンパク質を最も受け付けるのは、運動を終えてから大体30分以内だ」マンジェ氏は語った。もしランニングのゴールが自宅なら、すぐに食べられるよう食事をあらかじめ用意しておくと良い。トレーニングのために遠出をしているなら、ランニング後に食べられるプロテインバーのようなものを持ち歩こう。その後、家に帰ってしっかりと食事をしよう。

「トレーニングの最中は、筋肉は破壊されている」同氏は言う。「筋肉が増えるのは、回復時だ」

[原文:What to eat and drink before and after a run, according to an Olympian who now coaches runners

(翻訳:Yuta Machida、編集:山口佳美)

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