トランプ大統領のツイートに弱い、たった1つの市場とは? ゴールドマン・サックスが指摘

トランプ大統領

Reuters/Jonathan Ernst

  • トレーダーの多くは、トランプ大統領の貿易に関するツイートに左右されてはいない。だが、大豆市場は例外だ。
  • 豚肉がタンパク源の定番となっている中国は、その価格を抑えるため、アメリカからの大豆の輸入に頼っている。
  • ゴールドマン・サックスのエコノミストたちは、回帰分析を使って、トランプ大統領のツイートとさまざまなアセットクラスのパフォーマンスの関係を探った。

貿易に関するアメリカのトランプ大統領のツイートは、トレーダーにとっては大した意味を持たない。だが、大豆市場は例外だと、ゴールドマン・サックスは指摘する。

同社のエコノミストたちは、トランプ大統領の貿易に関するツイートと、投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所の数値「VIX指標(恐怖指数)」との関係を調べた。その結果、アメリカが中国やメキシコ、欧州連合(EU)と対立を深める中にあっても、トレーダーの多くはトランプ大統領の「貿易」もしくは「関税」という言葉を含むツイートに左右されてはいないことが分かった。

ドルと経済政策不確実性指数(EPU指数)は固定し、回帰分析を使ってトランプ大統領のツイートとさまざまなアセットクラスとの関係を調べたところ、大豆が大統領のツイートによって大きな打撃を受ける唯一の市場であることが分かった。

トランプ政権がおよそ340億ドル(約3兆8000億円)相当の中国製品に25%の関税を課した後、中国は大豆を含むアメリカ製品に同様の関税で報復した。11月の大豆の先物価格は7月13日(現地時間)、1ブッシェルあたり8.26ドルと、ここ10年近くで最低となった。

「これは、貿易をめぐる緊張が商品市場に及ぼす影響は少なく、大豆だけがその例外だという我々のコモディティーチームの見方と一致している。中国がアメリカ産大豆の関税を回避するために、他の国に輸入を完全に切り替えることは不可能だ」ゴールドマン・サックスのジェームス・ウェルドン(James Weldon)氏は19日の顧客向けのメモで述べた。ニューヨーク・タイムズが報じたように、輸入の不足分を補えるほどには、中国の農業は発展していない。

中国は、世界最大の大豆輸入国だ。2017年、中国は養豚のためにアメリカから124億ドル相当の大豆を輸入したと、ウォール・ストリート・ジャーナルは報じている。タンパク源の定番で、食用油の生産にも使われる中国の豚肉の価格を抑えるのに、アメリカ産大豆は役立っている。

もう1つの大豆の主要生産国で輸出国でもあるブラジルに切り替えることもできるが、それでも中国は十分な量を輸入することはできないだろう。

だからこそ、大豆のトレーダーはトランプ大統領の貿易政策に関するツイートに反応するのだ。

「これは、市場が貿易のリスクを価格に織り込んでいないとか、貿易摩擦は懸念事項でないと言うことではない」ウェルドン氏は言う。リスクを価格に反映するのに、大統領のツイッターを頼りにしているわけではないということだと、同氏は結論付けた。

[原文:GOLDMAN SACHS: There's one market that's vulnerable to Trump's tweets (TWTR)]

(翻訳、編集:山口佳美)

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