ノールック買い取りアプリ「メルカリNOW」のサービス終了が発表された。
出典:メルカリNOW
メルカリは7月20日、ノールック買い取りサービス「メルカリNOW」を8月20日に終了すると発表した。メルカリNOWは2017年11月27日に開始し、約8カ月でサービスを終了することになった。学びのフリマアプリ「teacha」も8月21日に、ブランド品専用のフリマアプリ「メルカリ メゾンズ」も8月31日にサービスを終了する。
サービス終了の理由について、メルカリ広報は「メルカリグループ全体で、よりインパクトのある大きな事業に集中していくため、サービスに関わる人員を、既存のメルカリや(金融の新規事業をする)メルペイなどに当てていきたい」と説明している。
メルカリNOWはなぜサービス終了に?
メルカリNOWは、メルカリのグループ会社「ソウゾウ」が提供している。2017年11月のサービス発表時は、ノールック買い取りアプリで先行していた「CASH」と並び、注目を集めた。
メルカリの2017年12月のリリースによると、メルカリNOWは1400ブランドを買い取り対象にし、「連日想定以上のスピードで買い取りの上限金額に達している」としていた。
サービス開始1週間は1000万円の上限金額に対し、初日は3時間48分、2日目は11分、3日目は10分で上限に達し、上限金額の引き上げや買い取り対象のカテゴリの拡大などを検討していた。
メルカリNOW、開始1週間の上限金額に達した時間。
出典:メルカリのプレリリース
メルカリによると、上限金額は現在も1000万円。最近の上限金額の達成時間は公表していない。サービス終了が発表された7月20日(午後3時過ぎ)は、少なくとも午後5時46分の段階で、上限金額の1000万円には達せず、査定ができる状態になっていた。
メルカリNOWは、ノールック買取アプリで先行していた「CASH」と並んで、2017年末に注目を集めた。メルカリNOWとCASHによって買取金額は異なり、2017年末に30点を査定してみた結果、両サービスで金額の開きが大きく出ていた。
メルカリNOWは、サービス終了の発表後も、上限金額に達せず、査定ができる状態だった。
出典:メルカリNOWの出品画面
メルカリ メゾンズ、teacha撤退の現状
メルカリ メゾンズは、2017年8月にサービスを開始。メルカリ広報によると、メルカリNOWとメルカリ メゾンズともに、「好評をいただいていたが、インパクトのある事業をするためにクローズをした」と判断したという。メルカリ メゾンズの機能は、フリマアプリ「メルカリ」に追加していくことも検討している。
teachaは、サービス開始から3カ月ほどで終了することになった。
出典:teacha
teachaは、2018年4月からサービスを開始、勉強や趣味、スポーツなどのレッスンをCtoCでやり取りするサービス。1回30分、1対1からレッスンを提供していた。最短5分でレッスンの登録ができ、最低金額は500円。「学研プラス」と「ユーキャン」をオフィシャルパートナーにしていた。teachaについて、メルカリ広報は「利用者や全体の状況は成長していたが、期待していた規模には至らなかった」と廃止の理由を説明した。
それぞれのサービスの終了を検討した時期については、「具体的には言えないが、進捗・継続は常に検討している」と話し、「上場とは関係がない」と説明。また「3つのサービスはクローズするが、新たな次の挑戦をしていきたい」と話していた。
ソウゾウは3つのサービスを廃止、第二創業期
「第二創業期」を迎えているという「ソウゾウ」。
出典:ソウゾウ
メルカリグループの「ソウゾウ」は、今回廃止したメルカリNOWとメルカリ メゾンズ、teachaの3つを運営していた。このほか、シェアサイクル「メルチャリ」のサービスを運営している。ソウゾウでは、新規事業の立ち上げを検討していくという。
また、ソウゾウは2018年4月に役員の交代を発表した。松本龍祐社長が退任し、メルペイの取締役CPO(チーフ・プロダクト・オフィサー)に就任。ソウゾウの社長には、執行役員だった原田大作氏が就いている。メルカリのリリースによると、原田氏はメルカリ メゾンズを立ち上げ、事業責任者をしてきた。新規事業の立ち上げの経験が豊富で、今後も事業の設立に注力していくという。ソウゾウのホームページでは、現在を「第二創業期」として、新規メンバーを募っている。
(文・木許はるみ)