中国・習近平主席と話すマーク・ザッカーバーグ氏。
Ted S. Warren-Pool/Getty Images
- フェイスブックが中国に子会社を設立した。
- 中国ではフェイスブックの利用は禁止されている。同国はインターネットに対して厳しい検閲を行っている。
- フェイスブックCEO、マーク・ザッカーバーグ氏は先週、同社は中国において「長い間、何もできていない」と語った。
- 同社の広報担当者は、フェイスブックは中国のディベロッパーをサポートするために「イノベーション・ハブ」を開設すると文書で述べた。
フェイスブックが中国に進出しようとしている。
同社は中国に子会社を設立、同社サービスがブロックされている中国で、その存在感を示そうとしている。
同社の広報担当者は、フェイスブックは中国のディベロッパーをサポートするために「イノベーション・ハブ」を開設すると文書で述べた。
子会社の資本金は3000万ドル(約33億円)、アリババ・グループ・ホールディングが本拠地を置く杭州に設立した。中国の工商行政管理总局(National Enterprise Credit Information Publicity System)の登録文書を先週確認したと24日、ロイターが伝えた。
「中国のディベロッパー、イノベーター、スタートアップを支援するために、杭州にイノベーション・ハブを設立することに興味を持っている」と同社はメールでコメントした。
中国でブロックされているフェイスブック
中国ではフェイスブックはブロックされている。同国はツイッターやグーグルを含め、海外ニュース、検索エンジン、SNSを厳しく規制している。
中国での子会社設立は、同社の中国での取り組みの変更を意味するものではなく、中国での展開について、引き続き、別のアプローチを検討していると同社は語った。
2017年、フェイスブックのメッセージングアプリ「WhatsApp」も、5年に一度の全人代(全国人民代表会議)の開催を控えてブロックされ、以来、ほぼ利用不可能になっている。
同社CEOマーク・ザッカーバーグ氏は、先週行われたインタビューで同社は「(中国で)長い間、何もできていない」と語った。
さらに同氏は、「いつかは形にしなければならないと考えている。だが我々の原則とやりたいことに沿った解決策でなければならない。また現地の法律に沿ったものでなければならない。そうでなければ、何も生まれない。今は、まだ解決策はない」と付け加えた。
検閲を強化する中国
中国のインターネット検閲は、習近平政権下でますます強化されているが、アメリカのテック企業は、中国当局による規制に触れずに、中国マーケットに進出する新たな方法を探し出すことに力を入れている。
グーグルは中国に数百人のスタッフを抱え、最近、AI研究所を開設した。またここ数カ月で、中国マーケット向けにAIゲームやファイル・マネジメントなど、複数のアプリをリリースした。
アップルも、中国版App Storeを同国の規制に合わせるために大幅に変更、当局の要請に応じて数百のアプリを削除した。
フェイスブックは、中国の子会社はトレーニングとワークショップに注力し、ソフトウエア・ディベロッパーや起業家のイノベーションを支援すると述べた。同社は、フランス、ブラジル、インド、韓国など、多くの国に同様の施設を設けている。
[原文:Facebook has created a subsidiary in China, even though its site is banned in the country (FB)]
(翻訳、編集:増田隆幸)