Facebook中国子会社の「設立撤回」に波紋、中国外交部がコメント

アリババとFBのCEO

2016年に北京で開かれた中国政府のイベントで、アリババのジャック・マー会長(右)と対談するFacebookのマーク・ザッカーバーグCEO。

Shu Zhang reuters pictures

Facebookの中国展開が波紋を呼んでいる。

Facebookが中国に子会社を設立したと日本時間7月24日にロイターが報じたが、翌25日にはニューヨーク・タイムズが、「中国政府は、Facebookの子会社設立の承認を撤回し、SNSでもFacebookの子会社設立に関する発言を検閲している」と報道した

Facebook、中国のインターネット監督機関である中国中央ネットワーク安全・情報化指導チーム弁公室(中央網信弁)、杭州市政府が沈黙を続ける中、中国外交部の耿爽(こう・そう)報道官は26日に開かれた定例記者会見で、「Facebookの中国子会社設立の申請をなぜ拒否したのか」という質問に「中国の法律法規を守り、中国当局のルールに従う限り、海外インターネット企業が中国で発展することを歓迎する」と原則論を述べた上で、「具体的な状況は、管轄している当局に聞いてほしい」と答えた。

ロイター、NYTの当初報道と中国メディアの反応

reuters

ロイターの初報記事。

ロイターは24日、国家企業信用情報公示システムに登録された文書を基に、Facebookが杭州市で中国子会社「臉書科技(杭州)有限公司」(臉はFace 書はbookの意味)を設立したと報道。資本金は3000万ドル(約33億円)だった。Facebookの広報担当者は、中国のディベロッパーをサポートするために「イノベーション・ハブ」を開設すると文書でコメントした

だが、ニューヨーク・タイムズは25日、Facebookの子会社登録情報が政府の企業登記データベースから削除されたと報道した。

中国メディア証券日報も27日、中国政府の企業登記データベース「企企査」で「臉書科技(杭州)有限公司」を検索したところ、「取り消し」ステータスが表示され、他の政府系データベースでも登録を確認できなかったと報道している。

報道を受け、関連企業の株価は急騰・急落

習とザッカーバーグ

2015年9月、アメリカを訪問した中国の習近平国家主席(前列左から6人目)と記念撮影をするザッカーバーグCEO

POOL New reuters pictures

ニューヨーク・タイムズは26日の続報で、関係者の話として、「Facebookが中国で子会社を設立する機会がゼロになったわけではないが、可能性は小さい。許可が取り消されたのは、浙江省の担当者と、中央網信弁の見解の違いが理由だ。中央網信弁は協議が十分でなかったことに怒りを感じている」と伝えた。

Facebookの中国子会社設立が報じられた翌日の25日午前、広告事業などで同社と提携する中国企業の株価は軒並み急伸し、藍色光標、迅遊科技の株価はストップ高となった。だが、Facebookの決算会見を受け、27日午前には藍色光標の株価が5%急落するなど、関連企業の株価の変動が激しくなっている。

Facebookは中国でサービスをブロックされているが、マーク・ザッカーバーグCEOは度々中国を訪問して政府関係者との距離を縮め、自らも中国語を勉強するなど、一貫して中国進出に意欲を示し続けてきた。

(文・浦上早苗)

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