硬直化した企業は見当違いな方向に向かい、「極限状態での苦痛を伴う衰退、そして滅亡」を迎えることになる。
Michael Seto/Business Insider
アマゾンのCEOジェフ・ベゾス氏は4月13日水曜日(現地時間)、株主に宛てて年次書簡を送った。4300億ドル(約48兆円)規模のビジネスを一代で築き上げた同氏がマネジメントやリーダーシップについて語った必読の文書になっている。
ベゾス氏は特に、成功している企業が組織の硬直化を防ぐために策を講じることの重要性を指摘した。硬直化した組織は見当違いな方向に向かい、「極限状態での苦痛を伴う衰退、そして滅亡」を迎えることになる。
こうした末路をたどらないようにするには、プロセスが確立されていたとしても、そのプロセスの奴隷にならないための努力を惜しまないことだと同氏は語った。
「大企業ではこれがいとも簡単に起こってしまう。プロセスが結果よりも大事なものになってしまう。つまり、いつの間にか結果ではなく、プロセスに沿って作業を行うことが何よりも重要視されるようになってしまう」
「経験の浅いリーダーが、結果が今ひとつだった時に『プロセスに沿って行動した』などと言い訳することは珍しくない。だが、ベテランのリーダーは発想を転換し、『これはプロセスを見直す良い機会だ』と考える。プロセスは目的ではない。我々はプロセスを活用しているのか、それともプロセスに縛られているのか、常に問いかけることが大切だ」
反面教師としての「ユナイテッド航空事件」
これはユナイテッド航空の機内から乗客が無理やり引きずり降ろされた事件の背後にあるものを考えるには極めてタイムリーな内容だ。
ユナイテッド航空は乗客に対する態度について謝罪するまでに長い時間を要した。しかも、ユナイテッド航空は「あの状況で乗客を降ろすことは避けられない事態であり、航空会社に認められた権利である」「満席だったが、どうしてもスタッフを移動させる必要があった」と自社を正当化しようとしたのだった。
ユナイテッド航空のCEOオスカー・ムニョス(Oscar Munoz)氏は「スタッフは手順に沿って行動した」と社内に宛てたメモで述べた。
乗客に対して暴力的な行為に出たユナイテッド航空に対して世界中から非難が殺到している。ユナイテッド航空は規定のプロセスに従った。しかし、それが乗客ひいてはユナイテッド航空のブランドにどれほど大きなダメージを与えるかを同社の経営陣は理解していなかった。
source:Twitter
(翻訳:まいるす・ゑびす)