潜入!ライザップ社員総会 ── 男泣きの瀬戸CEO、プロ野球参入には含み

グループ75社、従業員数7000人超(2018年3月末現在)に急成長しているRIZAP(ライザップ)グループ。約2000人が集まる社員総会が2018年7月30日に開かれた。

総会では、CEO(最高経営責任者)の瀬戸健氏(40)が「いつも号泣する」とのうわさも聞く。真偽を確かめようと、社員総会に「潜入」した。

RIZAPグループの瀬戸健CEO

RIZAPグループの社員総会で講演する瀬戸健CEO

夏休みの家族連れでにぎわう、千葉県浦安市の東京ディズニーリゾート。リゾートの一角にある多目的ホールの前には、長い行列ができていた。デパートの衣料品売り場にいそうなおしゃれな女性もいれば、スーツ姿の男性もいる。

パーソナルトレーニングジム事業を核に、アパレル、エンターテインメントなど幅広い分野の企業買収を重ねているライザップ・グループだけに、全国各地から集ってきた社員たちは個性豊かだ。

ホールのロビーで受け付けを済ませると、白いプラスチックの機器を手渡された。あえて例えるならば、大福ぐらいの大きさの白いプラスチックにリストバンドが着いていて、腕に装着する。用途はわからないが、とりあえず腕に巻いた。

会場は普段、コンサートやミュージカルなどが開かれているホールで、ウェブサイトによれば収容人数は2170人。ほぼ満席だったため、2000人前後の社員が集まっている計算になる。

開始の時刻になると、場内は暗転し、客席の2000人が腕に巻いた白いプラスチックがいっせいに光りだす。

派手な演出で登場したのは、創業者でCEOの瀬戸氏だ。

RIZAPグループの社員総会

2170席の会場がほぼ埋まったRIZAPグループの社員総会。

「苦しいときも、つらいときもあると思うんですが、みなさまがお客さまと向き合ってくれているおかげで、いまこの瞬間、グループが存在することができています」

瀬戸氏は冒頭、社員に対して、深々と頭を下げた。

「Jリーグには進出したが、プロ野球に参入するお考えは」

社員との質疑では、こんな質問も飛び出した。

ライザップは、4月に湘南ベルマーレの経営権を取得している。ファッション通販サイトZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイの前澤友作社長が7月中旬、プロ野球参入の意向を表明しただけに、ライザップの動向も注目される。

瀬戸氏は、写真誌の直撃取材を受けたことを明らかにしたうえで、「いまのところないです、と取材には答えました。もしかしたらあるかもしれませんが」と、プロ野球参入に含みをもたせた。

続いて登場したのは、6月下旬にCOO(最高執行責任者)に就任したばかりの松本晃氏(71)だ。

ジョンソン・エンド・ジョンソンやカルビーで辣腕をふるった大物経営者として知られる松本氏が強調したのは、コンプライアンス(法令遵守)だ。

RIZAPグループの松本晃COO

RIZAPグループの社員総会で講演する松本晃COO

松本氏は"Compliance is non-negotiable.(法令遵守は、ネゴできない)"と述べたうえで、「それなりに立派な会社になりましたが、風が吹いたら飛んでいきます。ライザップの将来はみなさんの手にかかっている」と語った。

総会の最終盤。優れた成果を出したグループ企業の社員を表彰する際、瀬戸氏は感極まった。

「どうしたらみんなに元気になってもらえるかな、と考えているのですが、自分が元気にさせられてしまった。みなさんのがんばりがあるから、グループの未来に、すごい自信がわきました」

瀬戸氏は号泣までしないものの、何度も言葉につまり、涙をこらえながら語りかけた。

情に働きかけ、社員たちを鼓舞する瀬戸氏に対して、コンプライアンスと成果主義を強調するベテラン経営者の松本氏。

両経営者の役割分担の一端が垣間見えた。

(文・小島寛明、写真・今村拓馬)

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