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飼い主を驚かせた愛犬のDNA検査結果

愛犬イジー

Erin Brodwin / Business Insider

ニューヨークのある高級マンションの理事会は2015年、犬を飼う居住者に対して、飼い犬のDNA検査を義務付けた。これにより「犬種差別」に対する議論が巻き起こった。

理事会は、特定の犬種は生まれつき凶暴だからだと説明。ニューヨークとシカゴの街に特化した情報サイト「DNAinfo」によると、そのマンションには飼育を禁止する犬種のリストがあり、ポメラニアンが含まれている。

犬のDNA検査はペットの習性を診断し、どのくらいの大きさになるか、また、子どもや他のペットとどの程度協調できるかを予測できるという。

筆者自身もDNAテストを受けた経験があり、愛犬のことをもっと知るために犬のDNA検査を行ってみた。

これが愛犬イジーだ。彼女を引き取ったのは10年以上も前で、ゴールデンレトリバーの混血ということだった。

愛犬イジーと筆者

Erin Brodwin / Business Insider

当時彼女はまだ1歳で、どのくらいまで大きくなるか、またどのような性格かは誰も分からなかった(ゴールデンレトリバーの多くは、2歳の成犬で約27kgまで大きくなる)。担当の獣医によれば、彼女はやや小さめのゴールデンレトリバーの雑種ではないか、ということだった。

しかしイジーはほとんど大きくならなかったため、血統のことはずっと気になっていた。現在彼女は15歳で、とても人懐っこく、そして忠実だ。

愛犬イジー

Erin Brodwin/Business Insider

ほとんどの人は、飼い犬の行動特性がどのようなものかを理解する目的でDNA検査を受ける。一般的に、ゴールデンレトリバーは忠実で子どもにも優しい。その他の犬種の例で言えば、ダルメシアンは「超アクティブ」で番犬に適していると言われる。

source:アメリカンケネルクラブ(American Kennel Club)

イジーのDNA検査を受ける機会があり、私はそれを喜んで受け入れた。いくつかの選択肢があったが、世界最大手のペットヘルスケアを提供するマース(MARS)が開発した「ウィズダムパネル(Wisdom Panel)」のDNA検査を受けることにした。

世界最大級のペットのヘルスケアを提供しているマース(MARS)が開発した、「ウィズダムパネル(Wisdom Panel)」。

Erin Brodwin/Business Insider

検査キットは79.99ドル(約9000円)で、決して安くはない。

箱を開けると、頬の内側の粘膜を採取するための綿棒が2本入っていて、簡単な使用方法が記載されていた。

「ウィズダムパネル(Wisdom Panel)」の中身

Erin Brodwin/Business Insider


箱の横には、オンラインで検査登録をするためのサンプルIDが貼られている。

箱の横に貼られたサンプルID

Erin Brodwin/Business Insider


犬のDNAサンプルの採取方法は人間の場合とほぼ同じで、それぞれの綿棒で左右の頬の内側を15秒ほど、くるくると回す。

綿棒でDNAサンプルを採取する。

Erin Brodwin/Business Insider

source:Business Insider

イジーはこの検査が好きではなかった。

閉じたイジ―の口を開こうとする様子

Erin Brodwin/Business Insider

イジーのDNAサンプルを採取した後は、手順に沿って綿棒を検査キットの箱に開けられた穴に差し込み、5分間乾かした。写真の赤丸の部分には、微量のイジーのDNAが付着している。

イジーのDNAサンプルが付着した綿棒

Erin Brodwin / Business Insider

綿棒が完全に乾いた後、もう一度封を閉じ、梱包して郵送した。ウィズダムパネルのラボでは250の犬種データベースを駆使し、イジーのDNAのスキャンと分析が行われる。

もう一度封を閉じた箱

Erin Brodwin/Business Insider

この検査は、一番血の濃い犬種が何かを判別する上で役立つ情報である、DNA内の1800の異なる「マーカー」を探し出すというものだ。この検査では、同時にコヨーテやハイイロオオカミのマーカーも探す。コヨーテ、オオカミ、イエイヌは異種交配することがあるからだ(これらはすべて同じイヌ科イヌ属だが、種類の異なる亜種に属する)。

source:イリノイ州立博物館ウィズダムパネル

2週間後、イジーの検査結果が出た。私はその結果に仰天した。下の図は、ウィズダムパネルのウェブサイトにログインしたときに目にした最初の画面だ。

イジ―の血統図

MARS Veterinary / Wisdom Panel

チャウチャウとコッカー・スパニエル!? アメリカン・エスキモーとサモエド!? イジーを「小さなゴールデンレトリバー」だと思っていた私は混乱した。

愛犬イジー

Erin Brodwin / Business Insider

イジーの38%はコッカーという結果だったが、彼女はどう見てもコッカー・スパニエルには似ていない。私はこの結果をにわかに信じることはできなかったが、数ページにわたる検査結果を読み進めていった。

イジーの38%はコッカーだという検査結果シート

MARS Veterinary / Wisdom Panel

source:アメリカンケネルクラブ

性格は確かに合っている —— コッカーはアクティブで「スポーティな犬種」として知られる。運動を好み知的で穏やか、そして家族の一員として行儀良く振る舞う。

散歩中の愛犬イジー

Erin Brodwin / Business Insider

イジーの25%はチャウチャウという結果だったが、似ているとは言い難い。それでも、いくつかの特性にはうなずける部分もあった。

イジーの25%はチャウチャウという検査結果シート

MARS Veterinary / Wisdom Panel

イジーの12.5%がアメリカン・エスキモーだという結果に、私は一番引き付けられた。ピンと張った耳と、白くフサフサとした毛並みを除けば、彼女はこの写真の犬に似ている。例えば、目と鼻は共通点を感じる。

イジーの12.5%はアメリカンエスキモー犬であるとの検査結果シート

MARS Veterinary / Wisdom Panel


彼女にはサモエドの血も混じっていた。この犬種の名前はシベリア・トナカイを飼育していた遊牧民一族の名前にちなんでいる。彼らは犬を使ってトナカイを寄せ集めたり、そりを引かせていた。サモエドの尻尾や目鼻立ちは、他の犬種に比べてイジーに似ている。

サモエドの検査結果シート

MARS Veterinary / Wisdom Panel

検査結果の最後のページには、上記のグループに分類することができなかった残りのDNAについて書かれていた。この犬種はおそらく、ウィズダムパネルが実施する3世代以外のところで起こった繁殖が反映されているのだろう。下の3つのグループが、イジーが関係すると思われる犬種だ。

検査結果の最終ページ

MARS Veterinary / Wisdom Panel

イジーにはコヨーテやオオカミのDNAは含まれていなかった!

カメラの前でお座りをするイジ―

Erin Brodwin/Business Insider

全ての犬は、イヌ属として知られ、イエイヌの学名「Canis lupus familiaris」 という1つの種に属している。

たくさんの犬を連れて散歩する男性

Flickr/Dirk Olbertz

ただ、犬は長い間、人間によって意図的に交配されてきたため、見た目にはかなり大きな違いがある。

source:アメリカンケネルクラブ

コッカー・スパニエル、チャウチャウ、アメリカン・エスキモー、そしてサモエドの血が混じっているイジーは間違いなく個性的だ。時々ほえるけれど、彼女は小さな体ながらも穏やかな性格の持ち主で、とても愛らしい存在だ。

飼い主とイジ―の2ショット

Erin Brodwin / Business Insider

source:DNAinfo

[原文:I got my dog’s DNA tested and what I learned shocked me

(翻訳:Conyac

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