人権団体が反発! ニューヨーク市議会、ウーバーやリフトの台数規制を提案

ウーバー

Spencer Platt/Getty Images

  • アメリカのニューヨーク市で、ライドシェアを規制する方針が示されたことに対し、ウーバー(Uber)リフト(Lyft)が反対、人権団体もこれに加わった。
  • 黒人系、ラテン系ニューヨーカーの中には、イエローキャブやその他のタクシーによる人種差別を恐れている人たちもいる。
  • ウーバーは、ソーシャルメディア上でこの規制案に反対するキャンペーンをスタートさせている。ハッシュタグ「#DontStrandNYC」(困らせないで、ニューヨーク市)もその1つだ。

ニューヨーク市議会が、市内でサービスを提供できるライドシェアの台数に上限を設けようとする方針を示したことに対し、ウーバーとリフトが反対、人権団体もこれに加わった。

市議会議長のコリー・ジョンソン(Corey Johnson)氏が、市内での営業を許されたライドシェアの台数をこれ以上増やさないとの法案を示した後、「全米黒人地位向上協会(NAACP)」「全米都市同盟(NUL)」「ナショナル・アクション・ネットワーク(NAN)」はいずれも、これに真っ向から反対するウーバーやリフトに加わった

ニューヨーク・タイムズの29日(現地時間)の報道によると、黒人系、ラテン系ニューヨーカーの中には、今後、目的地へ行くために車を拾うのが難しくなるだろうと感じている人々もいる。なぜなら、通りでタクシーを拾おうとしても、彼らは意図的に無視されることが多いからだという。

ハーレムで牧師を務めるジョニー・M・グリーン(Johnnie M. Green Jr.)博士は ニューヨーク・タイムズに対し、「これは人種問題だ。ウーバーに反対する人々は、イエローキャブを呼ぶのに苦労しない人々だ」と語った

全米黒人地位向上協会(NAACP)と全米都市同盟(NUL)にBusiness Insiderはコメントを求めたが、回答は得られなかった。

ナショナル・アクション・ネットワークの本部では28日、同団体を率いるアル・シャープトン(Al Sharpton)牧師が聴衆の前に立ち、ウーバーやリフトを規制する市議会の法案を声高に非難した。「わたしは仕事へ行こうとしている。わたしは学校へ行こうとしている。わたしを車に乗せてくれる誰かが必要なんだ」

彼らはウーバーに上限を設けようとしているが、黒人にとってニューヨーク市でイエローキャブを拾うのがいかに難しいか、分かっているのだろうか? これはウーバーの問題ではない。ユーザーの問題だ。わたしたちは、わたしたちのために立ち上がる必要がある! #saturdayactionrally

市議会の法案は、リフトやウーバーといった企業のために走るライドシェア用の自動車を1年間、新たに増やさないとするものだ。この間にライドシェアリング・サービスの成長がニューヨーク市にどのような影響を与えているかを調査するという。ビル・デブラシオ市長も、27日のラジオ・インタビューでこれを支持している

市議会が道を走るライドシェアの台数を規制しようと考えたのは、市内の渋滞が悪化していることと、イエローキャブを含むタクシー運転手の自殺が2017年に相次いだことがきっかけだ。

ウェブメディア「Curbed New York」によると、ジョンソン議長は人権団体の懸念は理解しているが、既存のライドシェア・サービスが街から消えるわけではなく、影響を調べるために1年間、新たに台数を増やすことを規制するだけだと強調している。

市議会は、早ければ8月8日にも採決を行う。

ウーバーの広報担当ダニエル・フィルソン(Danielle Filson)氏はBusiness Insiderにコメントした。「ニューヨーカーは市に対して、地下鉄をどうにかしてほしいと求めてきたが、彼らはその代わりにウーバーを壊すことに決めた。ウーバーを規制することで、地下鉄サービスが最も行き届いていないマンハッタン以外の行政区の利用者が困ることになるだろう」

ウーバーはすでに100万ドルを投じて、市議会の法案に反対する広告キャンペーンを展開している。ハッシュタグ「#DontStrandNYC」(困らせないで、ニューヨーク市)もその1つだ。

ニューヨーク市議会は、みなさんのウーバーをより値段の高い、信頼性の低いものにする新たな規制を導入しようとしています。市議会に伝えましょう: #DontStrandNYC

[原文:Civil rights groups are speaking out against New York City's proposed freeze on Uber and Lyft]

(翻訳、編集:山口佳美) 

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