ハーバード大学、卒業生の子どもを優遇か?

ハーバード大学卒業式の様子

Robert Spencer/Stringer/Getty

  • ハーバード大学に対する訴訟で、入学選考に関する驚くべき方針を示す書類の存在が明らかになった。ニューヨーク・タイムズが報じた
  • 例えば、「Zリスト」に載った生徒は、同校への入学を1年先送りしなければならない。訴訟の原告によると、Zリストとは卒業生の子どもを入学させる方法、たとえ彼らが学力的に基準を満たしていなくても。
  • ハーバード大学はこれを否定、Zリストは卒業生の子どもの実際の割合を反映したものではないと述べた。卒業生の子どもの割合が多くなっているのは、彼らが他の学生よりもリスト入を承認する傾向が強いためと語った。

ハーバード大学の2014〜2019年の入学生のうち、毎年約50〜60人の生徒は「Zリスト」からの入学者とニューヨーク・タイムズが報じた

「Z」扱いになった生徒は、入学を1年先送りしなければならない。だが、同校に対する訴訟の原告はこうした学生の多くは同校卒業生の子どもと語った。つまり、親がハーバードの卒業生で、学力的に入学基準を満たしていないような志願者。

Business Insiderは以前、ハーバード大学はアメリカにおける最難関校であり、合格率は5%と伝えた

ニューヨーク・タイムズによるとこの訴訟は、反アファーマティブ・アクション(少数人種に対する優遇政策)集団スチューデンツ・フォー・フェア・アドミッションズ(Students for Fair Admissions)が、ハーバード大学の入試でのアジア系アメリカ人に対する厳しい基準を訴えたもの。

訴訟では入試に関する多くの書類が提出され、Zリストなど、これまで公にされることのなかった同校の入試プロセスのさまざまな側面が明らかになった。

学生新聞ハーバード・クリムソン(Harvard Crimson)は2002年、Zリストについて報じている。同紙によると、2001〜2002年にZリストから入学した学生約80人のうち36人を調査した結果、その72%にあたる26人が卒業生の子どもだった。学年全体では卒業生の子どもは、12〜14%。

また2010年の別の記事では、インタビューした28人のZリスト入学者のうち18人は親がハーバード卒業生で、28人のうち24人は大学から学費援助を受けていないと伝えた(同紙によると、ハーバード大学の学生の約70%が学費援助を受けている)。

大学側は卒業生の子どもの優先措置を否定

同校の入試関係者は、Zリストは卒業生の子どもを入学させるためのものではないと語った。

2010年のハーバード・クリムソンの記事で、入試と学費援助の責任者ウィリアム・R・フィッツシモンズ(William R. Fitzsimmons)氏は、Zリストは卒業生の子どもが実際の割合を反映していないと述べた。Zリストに卒業生の子どもの割合が多くなっているのは、彼らが他の学生よりもリスト入りを承諾する傾向が強いためと語った。

同氏はまたハーバード・クリムソンの取材に対して、Zリストはニード・ブラインド(選考基準に家庭の経済状況を含まない)だが、多くの学生には入学まで1年を待つ余裕がなく、リスト入りを承諾しないと語った。

フィッツシモンズ氏によると、Zリストは1970年代に始まった。だが当時は特に名称はなかった。

ニューヨーク・タイムズによると、訴訟によってハーバード大学の入試については、「学部長の関心リスト」や「学長の関心リスト」などの存在が明らかになった。志願者と大学とのコネクションを記したものだ。

また、原告はアジア系アメリカ人の志願者は成績優秀と記載されながらも、「個人能力評価」においては、“ごく普通”とされることがしばしばあると同紙は伝えた。

フィッツシモンズ氏は2010年、Zリストの学生が他の学生に比べて劣っていることはないとハーバード・クリムソンに語った。

「彼らは来年ここに入学していると我々は100%確信している。99%でなく」

[原文:A lawsuit exposed Harvard's 'Z-list,' which some people suspect helps VIP kids who don't have the grades get in

(翻訳:Ito Yasuko/編集:増田隆幸)

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