2010年から? 米運輸保安庁、密かに飛行機の乗客を監視していた

空港

Reuters / Patrick Fallon

  • アメリカの運輸保安庁(TSA)は、「Quiet Skies」と呼ばれる監視プログラムによって、密かに飛行機の乗客を追跡していたことが分かった。ボストン・グローブが報じた。
  • 「Quiet Skies」は、連邦航空保安官を使って、他の情報機関の捜査対象になっていない、テロリスト・データベースに名前が乗っていない個人を監視している。
  • TSAによると、「Quiet Skies」は2010年から存在しているという。

アメリカの運輸保安庁は、何年にもわたって密かに飛行機の乗客を監視していた。ボストン・グローブが報じた

報道によると、「情報機関の捜査対象になっていない、テロリスト・スクリーニング・データベースにも名前が乗っていない」個人を連邦航空保安官が極秘に監視していたという。

これは、最近その存在が明らかになった国内監視システム「Quiet Skies」の一部だ。「Quiet Skies」は、民間航空機に対する「無名もしくは部分的に知られている」テロリストの脅威を回避することを目指すものだ。しかし、ボストン・グローブの報道によると、「Quiet Skies」は1日あたり40~50人の一般人を監視していて、その多くはビジネスウーマンや客室乗務員、司法関係者といった安全上の脅威を何ら見せていない、ごく普通の乗客だという。

「Quiet Skies」の核は、周囲を異様に警戒していたり、過度に緊張しているといった特定の行動を見せる個人を監視することだ。IDに添付された写真と実際の見た目の比較もしている。手荷物を確認していたか、フライト中に眠っていたかどうかも確認している。

TSAの広報はBusiness Insiderの取材に対し、「Quiet Skies」は2010年から存在していることを認めた。

声明の中でTSAは、「Quiet Skies」は「警察官が巡回している」ようなものだと言い、情報収集活動には「徹底的な監視」が含まれるとの考えを示している。

その上で、TSAはボストン・グローブの報道に反論した。

「ボストン・グローブの『Welcome to the Quiet Skies』の記事に反して、このプログラムは人種や宗教を考慮に入れていない。普通のアメリカ人を監視する意図はない」

[原文:The TSA has been secretly monitoring US airline passengers using air marshals]

(翻訳、編集:山口佳美)

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