アップルCEOティム・クック。
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- かつてスティーブ・ジョブズと仕事をしたケン・シーガルは、アップルの現CEOティム・クックは「ありきたり」のアドバイスを受けており、同社はマーケティングで十分なリスクを取っていないと語った。
- 彼は、アップルの広告は2011年のジョブズの死後、大きく変化し、iPhoneの魅力づくりに失敗していると述べた。
- アップルは7月31日(現地時間)、第3四半期の決算を発表。アナリストの予想を上回る結果となった。
かつてスティーブ・ジョブズと仕事し、「Think Different」キャンペーンにも携わったケン・シーガルは、アップルが現CEOティム・クックのもと、その大胆さを失っているのではないかと懸念している。
デイリー・テレグラフのインタビューでケン・シーガルは、アップルはジョブズのようにマーケティングにおいてリスクを取って、新たなチャレンジを行うことはなく、iPhoneの魅力づくりに失敗していると語った。
シーガルは「Think Different」などアップルのユニークなキャンペーンに携わった。また「iMac」というネーミングを生み出した。1997年、ジョブズがアップルに復帰した後、ブランディングが同社に与えた効果をよく理解している。
「スティーブ・ジョブズの死によって、アップルのマーケティングへのアプローチは見ての通り、完全に変わってしまった。マーケターとして見たときに、ジョブズがいたときと、その後では違いは極めて明らか」
シーガルは、現CEOティム・クックが安全策を勧めるアドバイスに耳を傾けていることが原因と考えている。
「ティム・クックは周囲の人々のアドバイスに基づいて判断している」とシーガル。そして、そうした人々は「少しありきたり」と付け加えた。
「大きな会社では人々は安全策を取りたがる。以前、アップルは多くの注目を集めることを行ってきた」
シーガルは以前にも、ジョブズ後のアップルについて懸念を表明している。2016年、シーガルはiPhoneのネーミング・ポリシーは「顧客を混乱」させており、マーケティング上の問題を生み出していると述べた。
シーガルはこうした懸念をテレグラムのインタビューで語った。
「アップルはiPhoneの魅力づくりを行うべき。機能のみならず、人々が手に入れたいと思うことを作り出さなければならない」
スマートフォンの売り上げが減速しているなか、それがアップルが激しい競争に勝つ手段にもなるとシーガルは語った。
我々はアップルにコメントを求めたが、回答はまだない。
アップルは7月31日(現地時間)、第3四半期の決算を発表。通常、第3四半期はiPhoneのセールスが落ち込み、売り上げと利益も落ち込むが、アナリストの予想を上回る結果となった。
※敬称略
[原文:Steve Jobs' former ad man says Tim Cook is getting 'vanilla' advice that is making Apple bland]
(翻訳、編集:増田隆幸)