アストンマーティンの「ボランテ・ビジョン・コンセプト」
Aston Martin
- アストンマーティンは最近、空飛ぶ車のコンセプトを発表した。
- ボランテ・ビジョン・コンセプト(Volante Vision Concept)は、自動運転のハイブリッド電気自動車で、垂直離着陸が可能。
- 同社の社長兼CEO、アンディ・パーマー氏は、都市化の拡大、人口過密がこの構想のデザインの中心にあったと語った。
- 価格はまだ決まっていないが、700万ポンド(約10憶円)ほどになる見込み。
- アストンマーティンの広報担当者はBusiness Insiderに対し、いつかジェームズ・ボンドの映画に登場するかもしれませんと語った。
アストンマーティンが"空の競争"に参戦だ。
イギリスの高級車メーカー、アストンマーティンは2018年のファンボロー国際航空ショーで、個人向け自動運転の空飛ぶハイブリッド電気自動車のコンセプトを発表した —— そして、ジェームズ・ボンドの乗り物として近々登場するかもしれないとほのめかした。
この「ボランテ・ビジョン・コンセプト(VVC)」は、垂直離着陸が可能で、アストンマーティンならではのハイスペック仕様だという。
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「ボランテ」は、イタリア語で「空を飛ぶ」という意味だ。イギリスのクランフィールド大学と協力し、ロールスロイスのエンジンを搭載。「ラグジュアリーでプライベートな空の旅」を届けるという。
アストンマーティンの広報担当者はBusiness Insiderに対し、価格はまだ決まっていないが、700万ポンド(約10憶円)ほどになる見込みだと述べた。
だが、販売はまだ少し先だ。担当者によると、同社は現在、顧客調査とフィードバック分析を行っていて、「生産は2020年代半ば頃になる」 と言う。
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アストンマーティンの社長兼CEOのアンディ・パーマー氏は、都市化の拡大と人口過密がこの構想のデザインの中心にあったと語った。「我々は渋滞や環境汚染を減らし、モビリティーを向上させる代替策に目を向けなければならない」と語った。
「人は常に、通勤に平均1時間を費やしている。職場からどれだけ離れた場所に住むかは、利用可能な交通手段によって決定づけられてきた」
パーマー氏は続けた。「ボランテ・ビジョン・コンセプトを使えば、1時間で今より遠くまで移動できる。つまり、これまで以上に職場から離れた場所に住めるということだ。都市は拡大し、今は通うには遠すぎる場所もいずれ郊外になる」
アストンマーティンの副社長兼チーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)のマレク・ライヒマン氏は、我々は「都市交通の新世代の幕開け」に立っていると述べた。
「垂直移動はもはやファンタジーではない」ライヒマン氏は言う。「我々は、アートとテクノロジーの究極の融合となるラグジュアリーな航空機を作るという珍しいチャンスを手にしている」
ボランテは自動運転となる予定だが、アストンマーティンは運転体験も残そうと考えている。
「我々のDNAに忠実に、VVCはとてもおもしろくて、『ドライブ』もできる乗り物だ」同社の広報担当者は言う。
007との長く特別な関係
そして最後に、ジェームズ・ボンドがこの車に乗って飛ぶ姿を近いうちに見ることができるかとBusiness Insiderが尋ねると、広報担当者はこう答えた。「我々はイーオン(映画007シリーズの製作会社)と長く、特別な関係を築いている。将来、また一緒に働けたらと思う」
これ以上にアストンマーティンのファンの胸が高鳴るニュースがあるだろうか。
(翻訳:R. Yamaguchi、編集:山口佳美)