副業をしたいけど、確定申告や納税はどうすればいいか。副業をする人、副業を解禁する会社の疑問に答えるサービスが登場した。
出典:freee
メルカリやAirbnbなど、シェアリングエコノミーで儲けた時、確定申告はどれくらい必要なのか? 副業をしたいけど、納税はどうすればいいのか? そんな今の時代だからこその税務申告の疑問に答えるサービスが登場する。
クラウド会計ソフトのfreeeは、副業の所得に対し「確定申告が必要かどうか」「納税額はいくらか」を診断するサービスを始める。
合わせて、主婦・主夫向けのサービスとして、扶養控除を考慮して、いくら稼げば世帯収入に得か損かを診断するツールも発表した。関連のfreeeのツールで、確定申告も完結できる。
副業向けのサービスは2018年8月6日、主婦・主夫向けのサービスは、8月9日にリリース予定だ。
freeeが提供する、世帯収入診断のツール。
出典:freee
freeeによると、今回発表した「副業の税額診断」と「主婦/主夫の世帯年収診断」のサービスは、「所得税、住民税、社会保険料、個人事業税の納税額」が見られる。事前手続きが不要の「白色申告」と、さまざまなメリットのある「青色申告」の納税額の比較ができる。
また主婦/主夫の世帯年収診断の方は、所得の程度によっては、実質的な世帯収入が減少するケースもあり、収入に応じた世帯収入の推移を表示できるようにした。
いずれのサービスも、確定申告が必要かどうかがわかり、スマートフォンで1分ほどで診断ができるという。また、freeeの関連サービスで確定申告が完結できるようになっている(※)。
副業向けのサービスについては、副業を解禁した他社から「従業員が副業の収入を確定申告しているか不安」「どこまで会社が、従業員の副業までサポートすれば良いのか」という意見が、freeeに寄せられていた。freeeの従業員の中にも、Airbnbのホストや同時通訳など副業をしている人がおり、当事者としても副業の納税の仕組みが身近な課題だった。
シェアエコによる収入の確定申告について、メルカリ上でも、ユーザーが疑問の声を投稿していた。
出典:メルカリQ&Aサイト
副業向け(副収入向け)新サービスとしてユニークなのは、主婦や主夫を想定していることだ。freeeによると、機能開発の中で、「家事代行でお小遣いを稼いでいる、部屋を貸している、といったシェア経済の稼ぎ手が増える中、税金の申告方法がわからないのでは?」「それゆえ申告できていないのでは?」という疑問があったからだという。freeeとしては、このように従来は会計ソフトの顧客ではなかった人たちにも、税額診断サービスを通じて利用拡大を訴求していく見込みだ。
このためfreeeは、シェアリングエコノミーや副業に関する確定申告を周知するきっかけになれば、と両サービスを自社ホームページで無料開放、IDも不要にした。
ちなみに、メルカリの売り上げで確定申告が必要かどうかは、メルカリが「メルカリガイド」で以下のように発表している。
出典:メルカリ
(※)サービスの概要
「主婦/主夫の世帯年収診断」は、主婦(主夫)の見込み年収と経費、夫(妻)の見込み年収などを入れると、納税額と合計の世帯収入の推移がグラフで見られる。「副業の税額診断」は、副業の見込み収入と経費、会社員としての見込み収入を入力すると、納税額が表示される。
(文・木許はるみ)