3分でわかる、グリー子会社が100億円投資で挑む「VTuberビジネス」の姿

グリーのVTuberプロジェクト記者会見

グリーは、世界初のVTuber専用ライブ配信プラットフォームの提供を発表した。

2018年8月7日、グリーの子会社であるWright Flyer Live Entertainment(以下、WFLE)は事業方針説明会で、VTuber(YouTubeなどで動画の配信を行う架空のキャラクターのこと)専用のライブ配信プラットフォー厶を始めることを明らかにした。

サービス発表に併せてWFLE社長の荒木英士氏が登壇し、グリーが挑むVTuber事業の全容が明かされた。事業方針説明会の内容をサマリーでまとめた。

1. 100億円規模投資する「ライブエンタメ」を第3の柱に

2018年6月期第4四半期 決算説明会資料より。

グリーの2018年6月期第4四半期 決算説明会資料。

出典:グリー

WFLEは「バーチャルYouTuberに特化したライブエンターテイメント事業」参入のため、2018年4月に設立された100%子会社。

同年6月期の通期決算説明会資料によると、グリーはライブエンターテイメント市場を「ゲーム」「広告・メディア」に次ぐ第3の柱に据え、VTuber事業などに100億円規模の投資をすることをすでに発表している。

その一方で、WFLE 社長の荒木英士氏は「(WFLEが)どういうことを考え、どういう事業をしようとしているのかの話は今まで意図的にしてこなかった」。

今回、WFLEの事業方針を、「全人類が物理的な制約から解放され、なりたい自分で生きていく」ために、VTuberのデビューから収益化、そしてコミュニティの拡大までを一気通貫してサポートすることだと説明した。

2. VTuberプロデュース、人気IPも

グリーのVTuberプロジェクト記者会見

グリーが発表した、VTuberの共同プロデュースパートナー。

まずWFLEが手がけるのは、「VTuberプロデュース事業」。

WFLEは6月、ニトロプラスのイメージキャラクター「すーぱーそに子」をVTuberとして共同プロデュースすることを発表している。また8月6日には、ピクシブ、バイドゥと共同で実施したオーディションを通じて3人のVTuberを今秋デビューさせることも公表している

このほか会見では、ANIPLEX、キングレコード、ブシロードなど、複数のアニメやゲーム関連の事業者らと共同してVTuberプロデュースを実施する予定であることも明かされた。

3. テクノロジーへの投資も強化

WFLEのVTuberプロジェクト記者会見

WFLEが発表した、VTuberのテクノロジーパートナー。

人工知能や3DCG分野をはじめとして、VTuberの関連の技術投資も強化する。

東大発の人工知能ベンチャー、PKSHA Technologyと提携し、深層学習の技術を活用して「キャラクターの感情表現をよりリッチに」(荒木氏)するための技術開発に取り組んでいる。

アニメスタジオのポリゴン・ピクチュアズのほか、ZOZOSUITとも関わりのあったニュージーランドのスタートアップ、ストレッチセンス社の名前も、テクノロジーパートナーとしてあげられた。

4. 「ライブ配信プラットフォーム」で収益化

WFLEのVTuberプロジェクト記者会見

「REALITY」に出演を予定しているVTuber、月ノ美兎。

荒木氏によると、「ユーザーローカルが提供したデータでは、7月末の時点で4300人以上のVTuberがデビューしている」が、そのうち収益化できているのは極めて少なく「活動を継続することが困難な状況」(荒木氏)だという。

その課題を解決するためにWFLEが始めるのが、VTuber専用のライブ配信プラットフォー厶「REALITY」だ。VTuberが毎日ライブ配信を行い、ユーザーはそれにコメントをつけたり、ギフトを送ることができる。

WFLEのVTuberプロジェクト記者会見

「REALITY」のデモ画面。

当初は月間60時間の編成で配信し、順次拡大を予定している。

ギフトには有料のものと無料のものがある。有料のものに関しては、課金額からプラットフォーム手数料30%を差し引いた、70%がVTuberに支払われ、VTuberの収益化につなげる。

さらに2018年11月末までは、出演VTuber応援キャンペーンとして、手数料0%、3Dモデル制作料0円、売上還元率を200%(グリー指定の条件を満たす場合)にするという。

2018年秋には、スマートフォンのみで誰でもオリジナルのアバターを作り、VTuberとしてライブ配信ができるサービス、「REALITY Avatar(仮)」の公開も予定している。

5. 動画以外の領域にも進出

WFLEのVTuberプロジェクト記者会見

VTuber事業方針説明会で登壇した、WFLE社長の荒木英士氏。

すでに動画配信にとどまらないVTuberの活動拡大も見据える。

その先駆けが、キングレコードと共同で設立するVTuber特化型の音楽レーベルだ。

人気VTuberへのオリジナル楽曲提供やプロモーションなど、音楽アーティストとしてのプロデュースのほか、ライブイベントの開催やグッズの制作も見込んでいるという

7月からはTOKYO MXとドワンゴと共同で地上波でのVTuber専門番組も放送を開始している。また、海外進出や海外ファン獲得のため、複数のパートナーとの協業を検討している。

このほか、コミュニティ拡大パートナーとして紹介されたのは以下の通り。

WFLEのVTuberプロジェクト記者会見

WFLEが発表した、VTuberのコミュニティ拡大パートナー。

(文・写真、西山里緒)

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