ひげ人気がカミソリ業界を悩ませている?
Chris Pizzello/Invision/AP
- アメリカでは、ひげ人気がミレニアル世代を中心に続いている。
- こうした中、カミソリの売り上げはここ1年で5.1%減少し、ひげ人気はカミソリ業界の頭痛の種となっている。
- ジレット(Gillette)のようなメーカーは、"ひげの時代"を生き抜くための方策を見出そうと奮闘している。
"ひげの時代"が続いている。これはカミソリ業界にとって、致命的な知らせだ。
アメリカでは45歳以下の男性を中心に、ひげを伸ばすのが流行っている。カミソリ業界にとっては、深刻かつ戦略の見直しを迫られる問題だ。CNNが報じた。
「今日、男性がひげを剃らないことでマイナスに思われることはありません —— だらしないとか失礼だと思われることはないのです」ジレット・ノースアメリカの副社長、Massimiliano Menozzi氏はCNNに語った。
Blogtrepreneur
ジレットによると、男性がひげを剃るひと月あたりの回数は、ここ10年で平均3.7回から3.2回に減った。そして、これはカミソリ業界にとって、目に見える問題となって現れている。2018年6月までのカミソリの売り上げが、前の年の同じ時期に比べて5.1%減少したのだ。
メーカーは時代の変化に適応しようと奮闘していると、CNNは報じた。
ジレットは2017年、こうした状況に「介入」すべく、ヒゲトリマーといった顔ひげを整えるためのツールの価格を平均12%値下げした。エッジ(Edge)やシック(Schick)、ペルソナ(Personna)といったブランドの親会社であるエッジウェル・パーソナル・ケア(Edgewell Personal Care)は2017年10月、e-コマースを推し進め、「シック ハイドロ」ブランドを再ローンチした。カミソリを手掛けるスタートアップ「ハリーズ(Harry's)」は2018年2月、男性向けグルーミング・グッズ以外の事業を拡大するため、1億1200万ドル(約124億円)を資金調達した。
だが、希望もありそうだ。エッジウェル・パーソナル・ケアのCFO、ロッド・R・リトル(Rod R. Little)氏は7日、投資家との電話会議で、「顔ひげの周期性」を考えれば、きれいにひげを剃ったスタイルがいずれ人気を取り戻すだろうと、同社は見ていると述べた。
しかし、"かっこいいひげの時代"の終わりは、もう何年も叫ばれている。もしかしたら、ひげを生やしたミレニアル世代を受け入れ、カミソリ業界が生き残れるかどうかを見る時が訪れているのかもしれない。
(翻訳、編集:山口佳美)