次のターゲットはアップルか、グーグルに50億ドルの制裁金を科したEU

ティム・クック

EUで競争政策を担当するべステアー氏は、アメリカのテック大手にとってまさに悩みの種。

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  • シリコンバレーの最大の敵、マルグレーテ・ベステアー氏が次のターゲットを明らかにした。
  • EUの競争政策担当委員である同氏は、スマートフォン充電器の標準化を調査したいと考えている。
  • これはアップルにとって問題となる可能性がある。同社独自のLightningコネクタは市場で明らかに特異な存在になっているためだ。

シリコンバレーのNo.1の敵、マルグレーテ・ベステアー(Margrethe Vestager)氏が次のターゲットを明らかにした ── アップルにとって悪いニュースだ。

EUで競争政策を担当する同氏は、アメリカのテック大手にとってまさに悩みの種。独占禁止法による監視、取り締まりを積極的に行い、先日、グーグルに50億ドル(約5500億円)の制裁金を科した

現在、グーグルの件は落ち着いてきており、ベステアー氏は次のテック企業に狙いを定めつつある。

EU議員からの質問に対する書面の中で、ベステアー氏は同氏のチームはスマートフォン充電器の調査を開始する予定と述べた。テック企業は充電器の標準化に取り組んでいないと見なされている。

アップル、サムスン、ファーウェイ、ノキアなど14社は2009年、2011年に発売される新モデルの充電器を統一するという自主的な取り決めを結んだ。

マルグレーテ・ベステアー(Margrethe Vestager)氏

EUで競争政策を担当するマルグレーテ・ベステアー(Margrethe Vestager)氏。

Reuters

ベステアー氏はこの目標の進捗は十分ではなかったと語った。

「自主的なアプローチでは不満足な結果に終わったことを踏まえ、委員会は他の違った選択肢のコストとメリットを検討するための影響度調査をまもなく開始する」

これはアップルにとって大きな問題となる可能性がある。アンドロイド・スマートフォンは充電器にUSB-CもしくはマイクロUSBを使用している。そして、アップル独自のLightningコネクタは特異な存在、ベステアー氏の調査の明確なターゲットになるかもしれない。

べステアー氏は過去にもアップルを追及している。2016年、アップルに対してアイルランドに150億ドル(約1兆6600億円)の税金の支払いを命じた

充電器に関する問題は、アップルのユニークなテクノロジーに打撃を与え、同社の重要な収入源を脅かす。

アップルは2012年、30ピンコネクタの後継規格としてLightningコネクタを採用。当時、Lightningコネクタへの切り替えによってアップルは1億ドル(約110億円)を得ると予想された。

また、アップルが交換や修理から得る収入もある。先日、アップルが史上初の時価総額1兆ドル(約110兆円)企業となった時、充電器についての下記のツイートがネットで話題となった。

アップルが時価総額1兆ドルの理由。

このツイートはアップルユーザーの共感を得た。Lightningコネクタについてコメントや写真のシェアで盛り上がった。

修理に関する話題もある。修理は概ねアップルストアでのみ可能で、料金がかかる。アップルは「アップルケア」という修理プランを提供しており、アップルケアを含むサービス部門の売上高は、2018年4〜6月期、前年同期比31%増の95億ドル(約1兆500億円)となった

我々はアップルにコメントを求めたが返答はまだない。だが、EUの充電器への興味は歓迎していないだろう。

[原文:The woman who just cost Google $5 billion revealed her next target, and it could spell trouble for Apple

(翻訳:一柳優心、編集:増田隆幸)

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