ジェネレーションZは、高等教育のプレーブックを書き換えている。
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- 1990年代後半以降に生まれたジェネレーションZ世代は、アメリカの大学教育のあり方を変えている。
- オハイオ大学のある教授はニューヨーク・タイムズの取材に対し、大学での出欠確認やオフィスアワー(編集注:教員が研究室にいて、学生の相談などに応じる時間)といった教務に、ツイッターやスラック(Slack)、ズーム(Zoom)を使用していると明かした。
- こうした変化は、ジェネレーションZが幼い頃からテクノロジーとともに育ってきたことの表れだ。
ジェネレーションZは、史上最もテクノロジーに慣れ親しんでいる世代だ。
1997年以降に生まれた世代と定義されるジェネレーションZは、スマートフォンやソーシャルメディア、ストリーミングサービスがどこにでもある世界で育った。
そして今、ジェネレーションZの最年長たちが大学に進学し始め、アメリカの高等教育のプレーブックを書き換えている。
オハイオ州立大学でジャーナリズムを教えるニコール・クラフト(Nicole Kraft)教授はニューヨーク・タイムズに対し、クラフト教授が授業に取り入れているテクノロジーについて明かした。教授は、学生の出欠確認に「ツイッター」を使い、授業の課題をインスタント・メッセージアプリの「スラック」に投稿し、オフィスアワーは動画会議アプリ「ズーム」で夜10時から行うという。「彼らの質問が上がってくる時間帯が、ちょうどこの頃なのです」
クラフト教授の授業では、その「正しい」書き方を学生に教えるとき以外は、Eメールは使わないと言う。「メールの書き方は必要なスキルなので、それは教えます」
オハイオ州立大学で起きている変化は、こうした同教授の手法だけではない。ニューヨーク・タイムズによると、同大学は2018年、新入生のために1万1000台のiPadを用意し、42の科目で「iPad必須」となっている。また、大学では学生が自身の履修計画を立て、成績を確認し、キャンパスマップやバスのルートまでチェックできる専用アプリを導入している。
こうした変化は、ジェネレーションZがいかにミレニアル世代とは違うかを表している。ピュー・リサーチ・センターの調査によると、アメリカの今のティーンエイジャーは、95%がスマートフォンを持ち、45%が「ほぼ常に」オンラインだという。心理学者のジーン・トゥエンゲ(Jean Twenge)氏によると、現代の10代の若者は1日あたり平均2.5時間を携帯電話に費やしているという。
ジェネレーションZが成長するにつれ、大学も学生の変化する行動習慣に適応しなければならないことは明らかだ。
(翻訳、編集:山口佳美)