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「タンス預金時代」を卒業するために今すぐやるべきこと —— 資産運用の意向調査が示す日本人の投資観

投資

日本人はこれまで、自己資産の運用、特に投資にあまり熱心ではないと言われてきた。「タンス預金」という言葉が表すように、銀行の金利が低いと、投資にまわさず、しまいこんでしまうことも少なくない。

しかし、少子高齢化や年金制度の課題を誰もが知るようになったいま、少なくとも資産運用への意識は大きく変わってきている。

顧客満足度の調査を行っている国際的な専門機関J.D. パワーが、個人資産運用に関する2つの調査結果を発表した。レポートからは、日本人の投資観の変化とともに、アメリカと比べた際の明確な「課題」も見えており、非常に興味深いものになっている。

「2018年 個人資産運用意向者調査」:銀行、証券会社における個人資産運用サービスの未経験者で、今後投資意向がある20歳から69歳までの一般消費者が調査対象。回答数:スクリーニング調査約6万人、本調査7495人。

「2018年 個人資産運用顧客満足度調査」:20歳以上の個人投資家を対象に、直近1年間のサービス利用経験に対する満足度をスコア化。回答者は1万7944人。

「投資意向が強い」ミレニアル世代

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Business Insider Japanでは、これまでもミレニアル世代の傾向として、キャリア形成志向が強く、大量消費を控える傾向があることを取り上げてきた。

「2018年 個人資産運用意向者調査」では、その傾向を裏付けるようなデータが現れた。

調査結果によると、年齢が若くなるほどに資産運用に興味を持つ「投資意向者」が高いのだ。特に20代は4人に1人という高さだ。

個人資産運用マーケットの全体像(年代別)

20代は4人に一人が、何らかの資産運用に興味を持つ「投資意向者」だった。

出典:J.D. パワー「 2018 年個人資産運用意向者調査」

一方で、投資意向が高いにも関わらず、資産運用に対する教育・知識が不足している状況も見えてきた。

たとえば、意向者全体が想定する1年の運用額は平均で36万円だったが、その運用イメージとして「1年で投資額と同規模の利益を得たい」というものだった。こうした利益額は本来、相応のリスクを負っても難しいリターン規模だ。

J.D. パワー ジャパン 代表取締役会長の鈴木 郁氏は、日本人の資産運用意識について「資産運用への意向が高い一方で、商品知識や現実的な運用のイメージが欠けているところがある」と警鐘を鳴らす。リスクとリターンの考え方の傾向は、年間投資希望額が100万円以上の人たちでも同じだった。

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J.D. パワー ジャパン代表取締役会長の鈴木 郁氏。

「調査結果から見えるのは、興味はあるものの、リスクも伴う金融商品の特性を知らず、“うまくいった”という友人や知人の話から、リターンを期待してしまう姿です。これは、(着実な資産形成という点で)危ういといえば危うい」(鈴木氏)

運用意向者が想定する運用イメージ

運用意向者が想定する運用イメージ。平均で年36万円の投資を想定しており、損失は18%ほどを許容範囲だとしている。

出典:J.D. パワー「2018年 個人資産運用意向者調査」

明確に見えた、「対面系」「ネット系」金融機関へのニーズの違い

投資意向者の金融機関に対するニーズは世代別に違いがあるのだろうか?

J.D. パワー ジャパンのサービス&エマージング インダストリー部門マネージャーの西川健太郎氏によると、スマートフォンネイティブな傾向が強いミレニアル世代であっても、「とりわけネット証券を選んでいるわけではない」ことがわかったという。

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J.D. パワー ジャパン サービス&エマージング インダストリー部門マネージャーの西川健太郎氏。

「ネット銀行、ネット証券に対する利用意向率をみると若い世代ほどオンライン志向が高いという傾向は見られませんでした。平均と比べると、むしろ40〜50代がやや多いほどです」(西川氏)

これは対面式と違って、ネット証券や新形態銀行への期待が「各種手数料の低さ」という、横並び比較しやすい数値要因に集中しているからではないか、と見る。

■J.D. パワーの調査の詳細はこちらから

金融機関別「利用したい理由」

ネット証券などオンラインが強い金融機関は、「手数料」に魅力を感じている人が多いことがわかる。一方、地銀などは真逆で、「地域に密着している」ことが評価されている。

出典:J.D. パワー「2018年 個人資産運用意向者調査」

調査からは他のことも見えてくる。「まず、資産運用経験のある個人投資家は、対面系とネット系のサービスで、それぞれ求めているものが異なるのです」(西川氏)。

J.D. パワーの独自調査によると、対面式で求められているのは、顧客への迅速な対応や、専門的知識をもつアドバイザーの存在だ。特に、市況への案内や資産運用の提案などに長けた証券会社への満足度は高く、全国系銀行をはじめとした対面系の銀行より、満足度の伸びが高い傾向にある。

顧客満足度を構成する要素

利用者が、対面系とネット系に求めるものの違いが端的に現れた例。対面系の「顧客対応」の期待は高い。

出典:J.D. パワー「2018年 個人資産運用顧客満足度調査」

利用したい金融機関のトレンドは「対面系からネット系へ」という単純な変化ではない

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個人向け消費の世界では、リアルな小売店舗からネットでのEコマースへと変わる —— これは多くの人が肌身に感じている世界的なトレンドだ。

しかし、こと投資に関しては、そう単純ではないという傾向も見える。

鈴木氏は「対面系とネット系のサービスは、今後も併用・共存していくだろう」と話す。実は、資産運用先進国のアメリカでは、直近2018年の調査時点でも、顧客満足度では対面系がネット系を上回っている。しかも若年層ほどその傾向が強いという。対面系ならではの「投資へのアドバイス」や「専門知識」がミレニアル世代にも評価されていることが現れている。

顧客満足度と世代・チャネルの関係

日米の対面系とネット系の満足度比較。アメリカとは違い、日本では対面系の評価がネット系を下回るケースが多い。これは、ユーザーの要望に対面系のサービスが応えきれていないという金融機関側の課題が現れているとも言える。

出典:「J.D. POWER 2018 US Investor Satisfaction Study、日本個人資産運用顧客満足度調査」

あと一歩で投資を「決断できない」人たち

投資意向者の行動の傾向を見ていくと、意外な裏付けも見えてきた。

誰しも資産運用はできるだけうまく進めたい。そうしたときに「できるだけリターンの高い良い商品」で「少しでも手数料を低く」と考えるのは、ごく自然に思える。できるだけ良い商品を選びさえすれば、口座を開設してすぐに投資に移るだけだからだ。

けれども、興味深いことに、実際には口座を開設した一定の人が、別のハードルによって「投資を思いとどまっている」事実も、この調査は明らかにしている。


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運用開始寸前の状態である「アカウントホルダー」しかし、実際の資産運用を開始していない理由として「投資を始めるタイミングがわからない」などで様子見のまま一歩踏み出せずにいる人は一定数いる。利用を促す正しい知識と決断するための情報の不足が示唆される。

出典:J.D. パワー 「2018年 個人資産運用顧客満足度調査」

「投資のボトルネック」についての質問では、“アカウントを開設したのに行動を起こしていない人”の34%が「投資を始める適切なタイミングがわからない」「市況の動向を見極める」と答えている。

鈴木氏は「運用したくても、“今、手を出していいのか判断がつかない”人が一定数いるのです。これは、金融機関が提示してきた情報と、運用意向者が本当に知りたいことがずれている可能性が高い」と指摘する。「金融機関は商品やサービス自体の説明ばかりするのではなく、そもそも“資産運用とは、時間軸の中でどのようなプロセスで行うものか”という正しい知識をアカウント開設者に届ける努力をもっとすべきなのです」(鈴木氏)。

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アメリカの投資目的に比べて、日本は全世代でどこか目的意識が曖昧な回答が多い。

出典: 「J.D. POWER 2018 US Investor Satisfaction Study、日本個人資産運用顧客満足度調査」

逆に言えば、日本人の投資意識は、アメリカほど成熟していないということだ。上のような投資の目的を日米比較で見てみると、その事実が明らかになる。日本人の「目的」は、年齢を問わず、どこか曖昧なのだ。

初心に立ち返るような話だが、資産運用を成功させる近道もこの調査は示唆している。「利率の高い金融商品を探す」ことばかりが大事なのではなく、「投資判断を決断できる知識」を学ぶことが、実は実践的な技術として重要だということだ。

その点では、各金融機関が実施しているような投資セミナーに参加するというのは、実は投資活動を考えるうえでは非常に合理的な選択といえるかもしれない。

■J.D. パワーの調査の詳細はこちらから

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