20年で女性起業家は114%増、だがその理由は悩ましい

PCを囲む女性たち

起業は、しばしば希望にそぐわなかった会社生活から逃れる手段。

Lazarenko Svetlana/Shutterstock

  • 過去20年で、アメリカでは女性経営者の企業数が114%増となった。
  • 調査は、会社生活よりも優れた選択肢に思えるという理由で、多くの女性が起業していることを示している。
  • 旧来の職場では、女性はしばしば性差別に直面し、仕事と子育てのバランスに苦労している。
  • 起業家精神はより大きな自主性と柔軟性を提供してくれるようだが、経済的な不安定さをもたらす可能性もある。

アメリカでは女性が立ち上げた企業が毎日、849社、生まれている。

過去20年で、女性が経営する企業の数は114%増加した。

こうした進展は、ようやくアメリカの起業家精神が、女性によりオープンになったサインと歓迎できるかもしれない。だがこの調査結果は、より悩ましい傾向を秘めている。

多くの女性経営者にとって起業は、しばしば希望にそぐわなかった会社生活から逃れる手段だった。だが多くの女性が経営者になることは、必ずしも経済にとって良いことではない ── あるいは女性自身にとっても。

女性はしばしば必要に迫られて起業する

National Women's Business Councilの2017年のレポートは、女性経営者を取り巻く状況を説明するために「必然の起業家精神(necessity entrepreneurship)」という言葉を使った。

一般的にこの言葉は、経済的な必要性に迫られて起業した人々を表す。だが、同カウンシルは言葉の定義を経済的な要因がないケースにまで広げようとしている。

女性経営者へのインタビューをもとに、レポートは職場での差別や、子育てと家事の負担が女性にのしかかっている事実を強調した。

アメリカ企業は、女性にとって特に居心地が悪いのかもしれない。2014年にアメリカ、中国、フランス、メキシコの女性経営者を対象にペイパル(PayPal)が行った調査によると、フランスでは61%、メキシコでは66%の女性が、自分自身にプライドを持つため起業家になりたかったと回答した。一方、アメリカでは、55%の女性がワークライフバランスを改善したかったと回答した。

大きな自主性が重要なモチベーション

モラ・アーロンズ・ミリ(Morra Aarons-Mele)は、女性が起業する理由を調査している。そして、起業の大きな理由の1つは、自分の時間をよりコントロールするためであることに気づいた。事実、それは彼女自身が自分の会社、Women OnlineThe Mission Listを始めた理由だった。

次のイーロン・マスクになるという願望が彼女の動機だったわけではない。「ただ生計を立てたかっただけ」と彼女は語った。

「1日10時間も働くために、会社にはもう行きたくないと思っただけ」

しかし、2014年のハーバード・ビジネス・レビュー(Harvard Business Review)の記事に、アーロンズ・ミリは次のように記した。

「多くの女性のスモールビジネスによる経済的な影響は、女性自身、その家族、あるいは経済にとっても長期的に見れば、ベストなことではないかもしれない」

さらに彼女は以下のように付け加えた。

「女性経営者の企業は、売り上げの中央値が22万5000ドル(約2500万円)未満の業界に偏っている(売り上げ10万ドル未満の会社は倒産する可能性が高い)」

個人レベルで見ると、多くの女性が企業で働いていた時の給料と同じ額を稼ぐことに苦労していると彼女は記した。

だからアーロンズ・ミリは、多くの女性は実は企業に残りたかったのではないかと考えている ── より多くのお金を稼ぐことができ、より多くの自主性を持ち、リーダーシップを発揮する機会がある場所に。

残念なことに、そして驚くべきことかもしれないが、性差別は起業家の世界でも問題になっているようだ。

Business Insider Franceの記事によると、女性が設立、あるいは共同設立した企業は、平均93万5000ドル(約1億円)の投資を得ている。一方、男性が設立した企業は平均210万ドル(約2億3000万円)の投資を得ている。

だがしかし同記事によると、調達資金1ドルあたりで見ると、女性が創業したスタートアップは78セントの売り上げを生み出している。一方、男性が設立したスタートアップは31セント。

※敬称略

[原文:There are 114% more women entrepreneurs than there were 20 years ago, but the reason why is troubling

(翻訳:Makiko Sato、編集:増田隆幸)

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