「一人っ子政策」で人口時限爆弾を招いた中国、解消に躍起

中国の人々

REUTERS/Carlos Barria

  • 中国は「一人っ子政策」を廃止したが、すでに人口時限爆弾を抱えてしまった。
  • 出生率は低下を続けており、地方政府は出産に対してさまざまなインセンティブを与えようとしている。
  • 2人目の子どもができた夫婦に現金を支給する省や出産に関するあらゆる制限の撤廃を支持する省も出てきた。

中国は35年以上にわたって、子どもの数を1人に制限してきた。この「一人っ子政策」は特に、人口増加と食糧難に対処する目的で実施された

2016年、労働人口の減少と高齢化の進展から中国政府は一人っ子政策を廃止、子どもを2人産むよう奨励し始めた。だが人口へのダメージはすでに与えられてしまった。中国は今や人口時限爆弾を抱えている。

人口時限爆弾は、出生率の低下と高齢者の増加により特徴づけられる現象で、経済に悪影響を及ぼす可能性がある。「一人っ子政策」が実施されていた間、中国の景気は好調だったが、今では多数の高齢者を支えられなくなるほど労働人口は減少した。

2030年までに、中国の人口の約25%を60歳以上が占めると予想されている。2010年には60歳以上は約13%、急激な増加は注目に値する。

人口時限爆弾を解除するため、地方当局は出生率を上げる新たな施策を打ち出している。

中国東北部にある遼寧省は、2人目の子どもができた夫婦への現金支給を検討すると表明。北西部にある陝西省は、出産に関する規制の撤廃を支持すると述べた。国家衛生健康委員会は、研究者に税控除によりベビーブームが起こるかどうか調べるよう指示したと報じられた

今年初め中国北部にある山西省は、中国初となる結婚補助金を発表した。結婚するカップルに、結婚写真やハネムーン費用などを提供する。

このような試みは中国政府の従来の姿勢とは大きく異なる。政府は2人以上の子どもを持った夫婦に対して罰金を科したり、中絶を強制したり、何百万人の女性に不妊手術を施すなどの厳しい施策を行っていた

出生率を上げようとする政府の意図に反して、子どもを望む中国人女性の割合は減少している。

人材企業Zhaopin(招聘)が実施した2017年の調査によると、子どもが1人いる働く女性のうちの約3分の2が、これ以上子どもはほしくないと答えた。2014年の調査と比べると17%の増加となった。子どもは1人もほしくないと答えた女性は2016年の21%から2017年には40%に増加した。

ニューヨーク・タイムズによると、中国政府の新たな出産奨励政策は、極端な取り組みにつながるのではないかとの懸念を引き起こしている。例えば、南東部にある江西省では、妊娠14週を過ぎた女性が中絶を望む場合、3人の医療関係者の署名が求められる。

これは新たに導入された規定ではないが、当局がこの規定に基づく取り締まりを強化するのではないかという恐れが広がっている。

他の省では離婚を難しくしようとしている。ある省では離婚の手続きとして、夫婦にそれぞれテストを受けさせている。このテストで60点以上を取ると、「復縁の余地あり」と見なされ、結婚を続けるよう言われると地元メディアは伝えた

中国の出生数は減少を続けており、2016年の1790万人から2017年は1720万人となった。だがニューヨーク・タイムズによると、国家衛生健康委員会は「二人っ子政策」は機能しており、2人の子どもを持つ家族は2013年の36%から2018年は51%まで増加したと主張している。

人口時限爆弾の解消に取り組んでいるのは中国だけではない。

日本では2017年、出生数は過去最低を記録し、政府はさまざまな施策に取り組んでいるスペインでは出生数の低下により北東部に人口が極端に少ない地域ができた。ブルガリアの人口も減り続けており、第ニ次世界大戦以降、最低を記録した。

[原文:China’s 'one-child' policy led to a demographic time bomb, and now the country is scrambling to undo it

(翻訳:R. Yamaguchi、編集:増田隆幸)

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