ミレニアルはマヨネーズを殺している? 真実は?

マヨネーズ

アメリカではマヨネーズのパワーが衰えている。

AP Photo/Patrick Semansky

  • ミレニアルは、いかにしてマヨネーズを殺したか」という記事に対して、ソーシャルメディアで非難の声があがった。
  • マヨネーズの終わりを祝う人や、ミレニアルが本当にマヨネーズを殺したのかと疑問を呈する人もいた。
  • 実際、マヨネーズの売り上げはここ数年急落しており、各社は売り上げ回復の方法を模索している。

ミレニアルはマヨネーズを殺している? もしそうだとしたら、ミレニアル世代を褒めるべき? ののしるべき?

Philadelphia magazineの記事が疑問を引き起こし、ネットで拡散した。記事のタイトルは「ミレニアルは、いかにしてマヨネーズを殺したか」。

ミレニアルがさまざまな記事のタイトルで“殺しの容疑”をかけられているなか、この記事はソーシャルメディアで議論を呼んだ。

「正直言って、この記事がパロディではないとは信じられない」

「年寄り:ミレニアルは太っていてナマケモノだ!」

「別の年寄り:なぜミレニアル世代は、この高カロリーで味のない食べ物を食べないのか?!」

多くの人はマヨネーズに対するミレニアルの勝利を祝した。

「ミレニアルが本当にマヨネーズを殺したなら、まさに偉大な世代だ」

「ミレニアル、よくやった。誇りに思う。殺す前に、痛めつけてくれたことを願う」

「そう、マヨネーズサラダは死に値する。自分の世代がやってくれてうれしい」

サンディ・ヒングストン(Sandy Hingston)氏が書いたこの記事は、多くの情報を含んでいるが、ほとんどは家族のエピソード。

例えば、母親の作ったポテトサラダを家族は誰も食べないとか、自分の娘はマヨネーズを嫌っているなど。記事は20パラグラフ以上もあり、自分自身のことやある食べ物が他よりも珍しい食べ物として扱われることにも触れている。

だが、我々の関心は1つだけ。ミレニアルは本当にマヨネーズを殺したのか?

ヒングストン氏の家族がマヨネーズ離れをしていることに加えて、証拠としてあげられたのは、大部分が他の記事のタイトルだった。なかには強烈なものもあった。

マヨネーズが悪魔の調味料である24の理由」「マヨネーズは最低、科学も同意」「ビッグマヨは私たちすべてを破壊する」などだ。

だが、タイトルだけでマヨネーズを殺すことはできない。マヨネーズを殺すには、人々が実際に食べるのをやめる必要がある。

データは、反マヨネーズ派が実際、いくらか売り上げに影響を及ぼしていることを示している。

アメリカのマヨネーズの売り上げは2012年から2017年にかけて6.7%減少したと、ユーロモニターのデータをもとにウォール・ストリート・ジャーナルは伝えた。また同紙は、ヘルマンやクラフトなどのマヨネーズメーカーは消費者を引き留めるために値下げせざるを得なかったと記した。

ニールセンのデータによると、2017年第1四半期から2018年にかけてマヨネーズの価格は0.8%低下、一方、加工食品全体の価格は1.6%上昇した。

マヨネーズの代替品

ビーガンをターゲットにしたマヨネーズの代替品。

Biz Carson/Business Insider

健康により気を配っている消費者は、マヨネーズを食べないようにしている。マヨネーズメーカーは、卵を使っていないマヨネーズを提供するジャストのようなビーガン向けブランドとも戦わなければならない。

また、単純にマーケットには多くの調味料が出回っている。食品業界は若い消費者を獲得するために、「第2のシラチャーソース」を見つけようとしている。

マヨネーズメーカーは生き残るため、そして売り上げを伸ばすために、マヨネーズ以外も手掛けなければならない状況にある。

クラフト・ハインツは投資家との電話会議で、同社の「イノベーション・パイプライン」を強調、新発売した「ランチャブルズ」の新フレーバー、「ジャスト・クラック・エッグ」、そして「ハインツ・リアル・マヨネーズ」を紹介した。

2018年4月、ハインツがマヨケチャップ(まさにその名の通りの味)を発売するとツイッターに衝撃が走った。またヘルマンはケチャップの種類を増やしており、2018年はじめにハチミツで甘みを出した「リアル」ケチャップを発売した

「調味料は、これまでにないほど競争が激しくなっている」とハインツのマーケティング部門のトップ、ジェニファー・ヒーリィ(Jennifer Healy)氏はウォール・ストリート・ジャーナルに語った。

「10年前は、もっとシンプルだった」

ミレニアルはマヨネーズを殺している? そうとは言えない。マヨネーズは試行錯誤を続け、新しいバリエーションや新しい味が登場している。

だが、世代の移り変わりがマヨネーズを深く傷つけている。マヨネーズは、かつてのような絶対的な地位を誇っていない。そして、ミレニアルがその好みを貫くなら、マヨネーズが再び王座に就く日は決して来ないだろう。

[原文:People are freaking out over a report that millennials are killing mayonnaise. Here's the truth.

(翻訳:R. Yamaguchi、編集:増田隆幸)

Popular

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み