167年働いてCEOの1年分、イギリス調査

クルーズ船

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  • イギリスの大企業のCEO報酬は2017年、一般の従業員の6倍の速さで上昇した。ハイ・ペイ・センターの調査で明らかになった。
  • 調査によると、CEO報酬の中央値は11%上昇し、約500万ドル(約5億5000万円)となった。一方で従業員の給与はインフレに追いつくだけで精いっぱいだった。
  • 従業員の給与の中央値は2万3474ポンド(約330万円)。大企業のCEOの1年分の報酬を稼ぐには、167年働かなければならない。

イギリスの大企業のCEO報酬は、一般の従業員の給与の6倍の速さで上昇した。

ロンドン証券取引所の上場銘柄上位100社(FTSE100)のCEO報酬の中央値は年間390万ポンド(約500万ドル、約5億5000万円)となった。

2017年、FTSE100企業のCEO報酬の中央値は11%上昇した。だが、それ以外の従業員報酬の伸びはわずか1.7%だった。ハイ・ペイ・センター(High Pay Centre)が毎年行っている調査で明らかになった

調査によると、従業員の給与の中央値は2万3474ポンド(約330万円)。CEOの1年分の報酬を稼ぐには、167年働かなければならない。2016年の153年からさらに格差が大きくなった。

最も高額の報酬を得たCEOは、住宅建設会社パーシモンのジェフ・フェアバーン(Jeff Fairburn)氏、2016年の自身の報酬の20倍以上となる4710万ポンド(約6億6400万円)。次いで、企業再建を専門とするメルローズのサイモン・ペッカム(Simon Peckham)氏の4280万ポンド(約6億400万円)となった。

中央値はデータに極端に大きい値や小さい値が含まれていても、あまり影響を受けない。一方、平均値は極端な数値があると影響を受ける。このため、中央値の方がより正確に一般従業員とCEOの報酬を表している。

平均値で計算すると、2017年のCEO報酬の伸びは23%、中央値の11%よりもさらに高くなっている。

「投資家は、CEOの過大な報酬に繰り返し懸念を示した。FTSE100企業の一部にはこの懸念が伝わっていないようで失望した」とイギリス投資協会のアンドリュー・ニニアン(Andrew Ninian)氏はガーディアンに語った。

「2018年は前年に比べると、より多くのFTSE100企業で、CEO報酬に対して多くの反対票が投じられている」と同氏は続けた。

今回の調査はハイ・ペイ・センターがイギリス人事教育協会(Chartered Institute of Personnel and Development:CIPD)とともにまとめたもの。これに先立ち、8月14日(現地時間)に発表されたデータではイギリスの賃金伸び率は、過去43年で最低となった。

イギリス下院企業委員会のレイチェル・リーブス(Rachel Reeves)委員長は「過大な役員報酬は企業に対する国民の信頼を損なう。CEOはこれまで以上に多額の報酬を積み上げ喜んでいるが、平均的な従業員の給与は圧迫されている。非常に悪い方向に進んでいる」と述べた。

[原文:Regular workers now have to work for 167 years to make as much as CEOs do in one

(翻訳:R. Yamaguchi、編集:増田隆幸)

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