「Echo Spot」で料理下手を克服できるか? 「クックパッド」スキルを試してみた

Echo Spotと肉

スマートスピーカー「Amazon Echo Spot」は料理に使えるのか?

  • Echo Spotは日本で発売している唯一の画面付きスマートスピーカーだ
  • 画面+読み上げで料理の手順がわかるため、料理初心者でも一品が作れる
  • ただし、スキルを使うとタイマー機能を使えないのが実用性を下げている

スマートスピーカーが活躍する用途はさまざまだ。ニュースや音楽を聴いたり、対応する家電を操作したり、おしゃべりや調べ物をしたりしてもいい。

一方で、メーカーが提案する用途の中には、「本当にそのシチュエーションで使えるの?」と疑問に思えるものもある。そのひとつがキッチンでの活用例だ。実際、アマゾンもグーグルも自社のスマートスピーカーの紹介に、キッチンでの利用例を掲載している。

そこで、今回は2018年7月に販売が始まった新型スマートスピーカー「Amazon Echo Spot」を利用し、キッチンでの作業が便利になるか実際に試してみた。

料理下手はAlexaの“スキル”で克服できるか

Echo Spotで料理

手元に常に料理手順が短文で表示されているだけで、初心者としては安心。

最初に告白しておくと、筆者の料理の腕は、「ド素人」だ。学生時代の料理実習では、常に火元や刃物を使う作業には参加させてもらえず、いまだに得意料理は目玉焼きだ。

とはいえ、「料理は科学」という言葉もある。料理音痴な自分でも、キチンと手順と分量を守れば口に入れられるものを作れるはず。

EchoSpotから今回利用したものは、「クックパッド」のスキル(Alexaのアプリのようなもの)だ。クックパッドのスキルは無料だが、同サービスへの会員登録が必要なので、今回新たにアカウントを作成した。

スマートフォン上(自分はiPad)のAlexaアプリでセットアップを終えれば準備OK。「アレクサ、クックパッドを開いて」と話しかければ、スキルが起動する。

Echo Spotのクックパッドのスキル

Echo Spotのクックパッドスキルでレシピを選んでいるところ。材料を確認して、手順の読み上げに進める。

クックパッドのスキルの使い方は簡単。作りたい料理の名前を言えば、あとは自動的にクックパッド上のレシピを選んでくれる。レシピの選び方は、料理の名前を指定する以外にも、「ブロッコリー チーズ」など、使いたい材料を指定するだけでもいい。冷蔵庫の余り物を活用したいときに便利だ。

今回は別日にそれぞれ「ローストビーフ丼」と「豚ヒレカツ」を作ってみた。

レシピを決定すると、Alexaアプリに詳細情報が送られてきた。すでに想定される材料は買っておいたが、買い物メモ代わりになり、便利かもしれない。

レシピ決定後の作業は基本的に、

  • アレクサが手順ごとに文を読み上げる
  • 次の手順に進みたい場合は「アレクサ、次」と話す
  • 前の手順に戻りたい場合は「アレクサ、前」と話す

という感じに進めていく。実際にやってみるとアレクサの日本語の流暢さを改めて感じた。今回使った限りでは、違和感のある発音はなく、スムーズに手順を進めることができた。

Echo Spotで料理

素で「パン粉か片栗粉、どっちが先か」と悩んだがEcho Spotのおかげで作業を中断することなく進められた。

しかも、Echo Spotのディスプレー表示が料理初心者にはありがたい。ディスプレーには現在の手順が常に表示されるため、細かい内容を忘れてしまったら、ディスプレーを見返せばいい(クックパッドによると、対応しているレシピであれば動画も再生される)。

試して分かった“声操作”の実用性

結果、アレクサの指示に従ったことで、人生初挑戦のローストビーフ丼と豚ヒレカツが完成した。

最初に着手したローストビーフ丼が単に簡単なだけかと思ったが、揚げ物も無事完成したので、やはりスマートスピーカーでのレシピ案内は、料理初心者にとってはかなり有効な機能だと思う。

豚ヒレカツ

豚ヒレカツはやや焦げがあったが、中まで火が通っていて美味しかった。

レシピを単に見るだけであれば、スマートフォンで直接クックパッドを表示させるだけでもおそらく事足りる。

ただ、実際に試してみると、調理中は意外と手が塞がっているシーンが多い。肉を切っている時、タレを混ぜている時、油で揚げている時。声での操作はとても自然に使えた。

アレクサやスキル仕様が悩ましい

Echo Spot

Echo Spotの場合、画面の縁に青いラインが出ているときが、「音声待機中」の状態だ。

一方で、不便に思うことも2つあった。

1つ目はクックパッドのスキルの仕様で、表示している手順のまま5分程度が経過すると「次の手順に進みますか?」と聞いてくることだ。

その際は「いいえ」と話せばいいのだが、また5分後に同じように繰り返し聞いてくる。また、誤って「キャンセル」と言ってしまうとクックパッドスキル自体が終了してしまうため、スキル起動からやり直しになる。

タイマーはスマホを使った

クックパッドのスキル利用中、タイマー機能はスマホのものを使った。

2つ目はアレクサ自体の仕様だと思われるが、スキル起動中はほかの機能が使えなくなることだ。具体的に言えば、スキル起動中はタイマー機能が使えなくなるのが残念だった。

“4分ほど煮込む”という作業時に、「アレクサ、4分のタイマーをセット」と話したところ、「もう1度お話いただけますか?」と命令を認識しなかった。これはクックパッドスキルが起動しているためで、通常のスタンバイ時であれば、アレクサはタイマーとして動いてくれる。

結果的に、時間の計測はスマートフォンのタイマー機能を使う羽目になった。

スマートスピーカーはキッチンでも十分使える

Amazon Echo Spot in kitchen

タイマー機能、時計、音楽再生、そして各種スキルがこのサイズに収まっているのは非常に便利。

上記のような不満点はあったが、自分はおおむねアレクサを活用した料理が気に入った。毎日使うのにはやや手間とストレスがかかるが、土日など気分転換や妻のご機嫌をとりたいときにはピッタリだ。

ちなみに、普段料理をする妻にもEcho Spotを試してみてもらったところ、やはり手順を繰り返しリピートされることに苛立っている様子。ただ、「声で設定できるタイマー機能は素直に便利」という評価だった。

ということで、我が家では今もEcho Spotがキッチンの一画に鎮座している。

(文、撮影・小林優多郎)

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