ナイキやホールフーズも続く! ウォルマートがけん引するオンラインショッピングの新たな時代

商品の受け取り施設

カリフォルニア州サクラメントにあるホールフーズに併設された商品の受け取り施設。

Katie Canales/Business Insider

  • アメリカの大手小売各社は、顧客が車に乗ったまま商品を受け取れる新たなオプションを提供し始めている。
  • アマゾンは最近、カリフォルニア州サクラメントとバージニア州バージニアビーチにあるホールフーズの店舗に、プライムナウ(Prime Now)の商品受け取り施設を併設し始めた。
  • こういった車に乗ったまま商品が受け取れるドライブ・アップもしくはカーブサイド・ピックアップというオプションは、アメリカで急速に普及し始めている。ウォルマートクローガーターゲットといった他の小売業者も、こうしたオプションを新たに導入したり、既存のサービスを改善するなどしている。

小売りの未来が本格化している。

アメリカでは、商品の受け取りオプションを新たに導入したり、既存のサービスをより多くの店舗へ拡大する小売業者が増えている。

直近では、アマゾンホールフーズの店舗でプライムナウの商品を受け取れるオプションを発表した。

カーブサイド・サービスが広まり始めてから数年、今まさに小売業界の注目の的となりつつある。

全く新しい食料品の受け取り方

カリフォルニア州サクラメントとバージニア州バージニアビーチにある店舗を皮切りに、アマゾンのプライム会員は商品の配達を待つ代わりに、ホールフーズの店舗の外にある指定スポットに車を止めておくだけで、注文した商品を受け取れるようになる。

このサービスは35ドル以上の購入で無料で利用することが可能で、商品を車まで届けてくれる従業員へのチップは不要だ。

アマゾンは、アマゾン・フレッシュの店舗で独自の商品受け取りサービスを試してきた。だが、2017年にシアトルで2店舗をオープンして以降、アマゾン・フレッシュが広がることはなかった。

競合するターゲットも2017年、既存の商品受け取りオプションを「ターゲット・ドライブ・アップ」としてリニューアルし、最近、その対象店舗を大幅に拡大した。現在、イリノイ州シカゴ、インディアナ州インディアナポリス、オハイオ州コロンバス、ミシガン州ランシング、ケンタッキー州ルイビル、ペンシルベニア州エリー、ウェストバージニア州サウスチャールストンで利用できる。

ターゲットはサービス拡大の発表文の中で、ドライブ・アップは「すぐにそのスピードと利便性で、ターゲットで最も人気の高い受け取りオプションの1つになった」と述べている。

ウォルマートの商品受け取りスピード

カーブサイド・サービスの価値を信じていたウォルマートは、そのオレンジを基調とした商品受け取りサービスを大々的に拡大させてきた。サービスの内容は競合他社と似ているが、他社よりも歴史が長く、規模も大きい。ウォルマートはすでにこのサービスを1800店舗で導入していて、近いうちにさらに拡大する計画だ。

重要なのは、ウォルマートの成熟したサービスが同社の狙い通りに機能しているということだ。CFOのブレット・ビッグス(Brett Biggs)氏は、同サービスが直近の四半期の新規顧客の獲得とeコマースの40%の成長に貢献したとロイターに語っている

受け取り施設

ウォルマートの商品受け取り施設。

Katie Canales/Business Insider

大規模小売店は、「クリックリスト・サービス」で成功しているクローガーといった食料品店がすでに知っていたことを学び始めたようだ。アルディも食料品のオンライン・ショッピングを拡大させ、アメリカで商品受け取り施設の立ち上げを準備している。

だが、それも食料品店と大規模小売店に限ったことではない。ナイキは最近、ロサンゼルスの最新のハイテク店舗で「スウッシュ・テキスト」と呼ばれるテキスト・メッセージ・サービスと連動した独自のカーブサイド・ピックアップを立ち上げた。顧客は店舗の裏の小さな駐車場からテキスト・メッセージを送ることで商品の購入、返品、交換ができる。

アメリカの小売大手がこぞって導入していることを考えると、カーブサイド・ピックアップはeコマースの最新のイノベーションと言えそうだ。顧客にとっては、オンラインショッピングの手軽さと、店で買い物をすることで得られるすぐに商品が手に入る満足感を両立できる。経営基盤のしっかりした実店舗を経営する小売業者は、その店舗数の多さを生かして顧客に商品受け取りのさらなるオプションを提供することができる。

では、オンライン注文の配達は過去のものになるのだろうか? 恐らく、答えはノーだ。だが、その店で頻繁に買い物をする人にとって、カーブサイド・ピックアップのスピードとコストの安さは魅力的なインセンティブとなるだろう。

[原文:Nike and Whole Foods are following Walmart's lead and signaling a new era for online shopping (NKE, AMZN, WMT)]

(翻訳、編集:山口佳美)

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