ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領。首都カラカスで開かれた会合で、新たな通貨「ボリバル・ソベラノ」について説明した。
Reuters/Miraflores Palace/Handout
ハイパーインフレに対応するため、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は17日(現地時間)、同国の最低賃金の引き上げと、独自の仮想通貨「ペトロ」にペッグした通貨制度を導入し、実質的に96%の切り下げを行うと発表した。ロイターが報じた。
ベネズエラでは17日、通貨ボリバルからゼロを5つ取るデノミネーション(通貨単位の変更)が実施される前に、買いだめをする人が殺到した(編集部注:デノミは20日に実施された)。
ハイパーインフレということは、日用品を買うにも大量の現金が必要になる。ベネズエラの経済危機を、ロイターの写真とともに見てみよう。
1キロのトマトの価格は、約500万ボリバル。ドルに換算すると0.76ドル(約84円)だ。
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20日のデノミ実施を前に、買い物客は食料品を買いに走った。人々は店が閉まったり、銀行システムに障害が起こるのではないかと恐れた。
写真の鶏肉(2.4キログラム)は、1460万ボリバル。2.22ドル(約245円)だ。
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にんじん(1キロ)は300万ボリバル。0.46ドル(約51円)だ。
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「野菜を買いに来たんだけど、こんなに並んでいられないからもう帰るわ」。会社を経営するアリシア・ラミレスさん(38歳)はマラカイボの食料品店でロイターに語った。「みんな、おかしくなっているの」
トイレットペーパーは1ロールで260万ボリバル。0.40ドル(約44円)だ。
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「ベネズエラには大規模な経済的変化が必要であり、我々は自らの手でそれを実現する」。マドゥロ大統領は5月、集会で述べた。
米(1キロ)は250万ボリバルで、0.38ドル(約42円)だ。
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オムツは800万ボリバル。1.22ドル(約135円)だ。
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銀行口座を持たない貧しいベネズエラ人たちは、もう何カ月も日々の買い物のために札束を持ち歩いている。苦しい経済状況が続く中、7月にはそのインフレ率は8万2700%に達したと、ロイターは報じた。
写真のトウモロコシ粉(1キロ)は250万ボリバル。0.38ドル(約42円)だ。
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人々は「惨めなマドゥロ」と書かれた落書きの前を通り過ぎていった。
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マドゥロ大統領は、17日に発表した新たな対策がベネズエラに安定をもたらすだろうと述べた。
首都カラカスにあるスーパーでは、買い物客が商品を探していた。
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陳列棚に商品がほとんどないスーパーは、ベネズエラではよく見られる光景だ。
マドゥロ大統領はデノミが実施された20日を休日とした。
同じくカラカスでは、屋台で野菜や果物を買う人の姿も。
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原油生産が減少する中、ベネズエラでは数十万人の国民がバスで国を出て、南アメリカ各地へ移り住んでいるという。
[原文:10 pictures reveal the huge amounts of cash Venezuelans need to buy everyday things]
(翻訳、編集:山口佳美)