ソフトバンク宮内CEO「データは石油だ」—— アーム+トレジャーデータで狙うIoTプラットフォーム

孫正義氏

2016年に開かれたイベントに登壇した孫正義氏。

REUTERS/Kim Kyung-Hoon/File Photo

エンタープライズデータ・マネジメントのトレジャーデータ(Treasure Data)を買収したソフトバンクグループ傘下のアーム(Arm)が、日本国内においてIoT(Internet of Things)プラットフォームの販売を始める。デバイスから膨大なデータまでを一貫して管理できるプラットフォームだ。

アームは2018年8月22日に都内で会見を開き、同社が買収したトレジャーデータと英ストリーム・テクノロジーズ(Stream Technologies)の技術を組み合わせて生まれた「Arm Pelion IoT Platform(アーム・ペリオンIoTプラットフォーム)」を説明した。

会見に出席したトレジャーデータの共同創業者・芳川裕誠氏は、モノのインターネット(IoT)の真の価値は、世界のネットワークに接続されている数十億のIoTデバイスの内側にある未知のデータの活用にあると強調。アームと組むことで、デジタルマーケティングに限らず、世界最大のビッグデータIoTプラットフォームを作り上げていくと述べ、トレジャーデータのアームへの売却の経緯に触れた。

芳川裕誠氏

2018年8月22日の会見に出席した芳川裕誠氏。

Business Insider Japan

ソフトバンクグループが2016年に3.3兆円で買収したアームは、スマートフォン向けCPU市場で9割超のシェアを掌握するともいわれる。同社は8月3日、世界最大のIoTプラットフォームの構築に挑むため、トレジャーデータの買収を明らかにしていた。

例えば、小売企業が店舗や倉庫からのリアルタイムデータを使って業務を最適化できたり、商業ビル事業者が建物に散りばめたセンサーを使ってテナントのニーズを予測できたり、IoTプラットフォームはあらゆる企業に変化をもたらす。

しかし、大規模なIoTソリューションを導入することは、多種多様なテクノロジーとベンダーの複雑性の課題があるという。具体的には、Wi-FiやBluetooth、4G、LoRaなど複数のコネクティビティ・プロトコルが使われていたり、あらゆる種類のデバイスが混在する。また、膨大な量の生データから直接ビジネス価値を抽出することは難しく、まずはデータに対する事前処理が必要だという。

宮内謙氏

2018年8月22日、アームが開いた記者会見に出席したソフトバンク社長兼CEOの宮内謙氏。

Business Insider Japan

22日の会見に出席したソフトバンク社長兼CEOの宮内謙氏は、「データは石油」と述べた上で、「GAFA(グーグル、アップル、Facebook、アマゾン)や中国のアリババはデータをおさめ、『A winner takes all(勝者は全てを得る)』を実現した。スマートフォンは10年で飛躍的に伸びたが、IoTはそれよりも短い時間で広がるだろう。たくさんのパートナーと一緒にIoTプラットフォームを作っていきたい」と話した。

芳川氏は現在、アームのIoTサービスグループでデータビジネス担当のバイスプレジデントを勤めている。2007年から三井物産のベンチャーキャピタル事業であるMitsui &Co. Venture Partnersに在籍し、北米のIT企業を対象に投資活動に加わった。同氏は2009年、日本からシリコンバレーに移住し、2011年にトレジャーデータを設立した。

(文・佐藤茂)

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