オンライン旅行の「旅工房」が上場 —— 買い注文殺到で取引は成立せず

青い海と空と白い砂浜

Dimitrios Kambouris/Getty

オンラインで海外向けパッケージ旅行の企画・販売等を手掛ける「旅工房」(6548)が18日、東証マザーズに上場した。株価は公開価格1370円に対し、倍以上買い気配のまま初日の取引を終えた。

1994年に創業した旅工房は、実店舗を持たない。それぞれの旅行先の情報に詳しい「トラベル・コンシェルジュ」を欧米やアジア、ビーチ(ハワイ、バリ島、グアム等のアジア太平好悪地域のビーチリゾート)といった方面別に配置、電話やメールで対応するオンライン旅行会社だ。

同社が上場にあわせて公開した資料によると、2016年3月期の売上高は前年に比べ4%増の217億円、営業利益は2億2700万円で、2017年3月期はそれぞれ売上高220億円、営業利益2億5000万円を見込む。個人旅行事業を中心に法人事業、インバウンド旅行事業を展開している。観光庁によると2017年1月の同社の取扱額は15億円(前年同月比113%)。旅工房株の仮条件価格帯は1220円〜1370円で、公開価格は同レンジの上限だった。

同社のサービスを利用して、2年前にイタリアのシチリア島を旅行した都内在住の女性(29)は、「新婚旅行だったので、サプライズみたいなサービスがあって素直にうれしかった。(旅工房を選んだ理由は)比較サイトで比べて、安かったから」と話す。

日本交通公社の「旅行年報2016」によると、国内の旅行会社の数は約1万社で、2008年以来9年ぶりに増加。2015年度の主要旅行業者の取扱額も海外旅行は前年に比べ8%減少したものの、全体では3%増え、6兆6400万円となった。旅行の申し込みにインターネットを利用する人も、2015年には62.2%と過去最高を記録している(JTB総合研究所「JTB REPORT 2016 日本人海外旅行のすべて」)。しかし、訪日外国人旅行客が増えているとはいえ、少子高齢化や人口減少等の影響で、競合間の競争は激しさを増している。

今年3月には海外旅行の格安ツアーで知られた「てるみくらぶ」が151億円の負債を抱えて倒産。新規参入のハードルが低く、他社との差別化が難しいと言われる旅行業界において、人件費や広告出稿に伴う費用の増加、為替の影響によって利益率が悪化する中、格安路線を貫いたことが同社の余裕のない資金繰りにつながった。てるみくらぶの倒産によって旅行先でトラブルに見舞われた利用者も多く、日本旅行業協会に旅行代金の弁済を求める申請は2万7000件を超えたという。

(*この記事は、コメントを第4段落に追加、更新しました。)

(取材協力:浦上早苗)

(編集:佐藤茂)

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